[2026/08/01]2026年度 城東スキルアップコース 第3回講義開催報告

会員からのお知らせ 学びの場 城東スキルアップ 能力開発推進部
[2026/08/01]2026年度 城東スキルアップコース 第3回講義開催報告

2026年度 城東スキルアップコース 第3回講義開催報告

8月1日(土)、2026年度城東スキルアップ6月コースの第3回講義が明石町区民館にて開催されました。32名の受講生全員が出席しました。

今回のプログラムは次のとおりです。

1. 財務分析の実践(講師:小林雅彦副支部長

2. 伝わる話し方(講師:Strada LLC代表社員 一色映里氏)

1.財務分析の実践(講師:小林雅彦副支部長

小林雅彦講師より、中小企業支援の現場で活かせる財務分析の考え方についてご講義いただきました。印象的だったのは、「財務分析は分析のために行うものではなく、経営課題を見つけ、経営者の行動につなげるための手段である」という言葉です。

講義では、多くの中小企業経営者は財務諸表を十分に活用できておらず、売上は把握していても、利益や原価率、資金繰りまで意識できていないケースが少なくないことを学びました。また、中小企業診断士が財務分析の結果を経営者に伝える際は、専門用語を並べるのではなく、経営者の理解度に合わせてシンプルに伝え、自ら課題に気づき行動してもらうことが重要であると教えていただきました。

グループワークでは、事前課題で取り組んだ財務分析の結果を持ち寄り、債務超過や高い原価率、販管費、役員報酬、付加価値など、さまざまな視点から意見交換を行いました。自分にはなかった着眼点に触れることで、同じ財務諸表でも分析の切り口によって見える課題が異なることを実感しました。

今回の講義を通じて、財務分析の目的は数値を評価することではなく、その背景にある経営課題を捉え、経営者が次の一歩を踏み出せるよう支援することであると改めて認識しました。今後も、経営者に寄り添い、分かりやすく価値ある提案ができる中小企業診断士を目指して、実践を重ねていきたいと思います。

2.伝わる話し方(講師:Strada LLC代表社員 一色映里氏)

続いて、外部講師であるStrada LLC代表社員の一色映里講師による「聞き手を惹きつける『話し方&聴き方』のテクニック」と題した講義が実施されました。一色映里講師はFM局アナウンサーや放送作家などの経歴をお持ちで、現在はプレゼンテーションのトレーニング講師等、多方面でご活躍されています。本講義は、通常の講義枠を拡大した特別プログラムとして3部構成で実施され、非常に濃密で実践的な時間となりました。

第1部は、全員で身体を動かしながら行う腹式呼吸を用いた発声練習からスタートし、伝え方のテクニック、スピーチの構成・表現・演出を学びました。伝え方のテクニックとして、聞きやすいテンポと間の使い分け、声のメリハリ、アイコンタクトなどが解説され、受講生は自らの普段のプレゼンスタイルを意識しながら熱心に耳を傾けました。スピーチの構成・表現・演出としては、話のタネなどの事前準備のステップ、聞き手が共感できるエピソードも加えたストーリー展開、一文は短めにするなどの表現の注意点を学びました。日頃のトレーニングや事前準備が重要であり、聞いて流れていく「話し言葉」と読み返せる「書き言葉」は違うということがよく理解できました。

 第2部では、本音を引き出すためのヒアリングをテーマとした講義と実践ワークが行われました。講義では、相手に話を深く聴くためには事前準備が重要であり、質問に対して想定される答えだけでなく、その背景にあると思われることまで書き出しておくように指導がありました。主役は「聴く側」でなく「答える側」であり、相手が答えやすいように聴く側はサポート役に徹します。続くワークでは、専門家派遣の設定で「初めての訪問先で課題や希望のヒアリングを行う演習」に取り組みました。受講生は「何を聞くべきか」「対話の目的はどこにあるのか」を常に自問自答しながら、経営者役の相手から本音を引き出すための実践的なコミュニケーション法を体感しました。講義で得た理論を即座にワークで試すことで、知識としての理解が実務に直結する生きたスキルへと昇華していく手応えを得ることができました。

第3部は、受講生全員が参加する「2分間スピーチと公開レッスン」が実施されました。受講者全員が「中小企業診断士として、自分の強みをどう活かし、今後の活動に繋げるか」という共通テーマのもと、全員の前で2分間のスピーチを披露しました。各受講生が自身のこれまでのバックボーンや得意とする専門領域、今後の診断士活動への情熱を熱っぽくアピールする中、一人ひとりに、その場で一色映里講師から間髪を入れず直接指導が行われました。一色映里講師からのフィードバックは、「姿勢」「顔上げ」「声の出し方と大きさ」「アイコンタクト」「間を取ること」などの重要な要素に焦点を当てたものでした。まず、背筋を伸ばし身体の軸を安定させ、顔を上げ、視線を聴衆へ向けます。そして、会場全体にしっかりと響き渡る声量で発声し、一人ひとりと視線を合わせるアイコンタクトを行います。さらに言葉の重みを伝えるための効果的な「間」の取り方など、多角的な視点から指導・アドバイスをいただきました。その具体的かつ妥協のない言葉に会場全体にはピリッとした緊張感が走りましたが、そこには受講者一人ひとりの潜在能力を最大限に引き出そうとする一色映里講師の深く温かい情熱と期待が込められていました。実際、一色映里講師の指導を受けてその場で意識を変え、同じ冒頭部分を言い直した瞬間、話し手の立ち振る舞いや言葉の重みが劇的に変化しました。また、聞き手側の受講生にとっても貴重な学びの時間となりました。単に他者の発表を聞くだけではなく、一色映里講師のアドバイスを、自分自身の立ち振る舞いやスピーチに置き換えて客観視することができます。「自分自身の強みを魅力的に伝えるためには何が不足しているのか」「どう改善すれば相手の心に響くのか」をリアルな臨場感とともに痛感する機会となりました。客観的な視点から自らの課題を再発見することができ、極めて密度が高く学びの深い公開レッスンとなりました。

感想

小林雅彦講師の講義を通じて学んだのは、財務分析の前提として経営者との信頼関係を構築することの重要性です。信頼関係がなければ、どれほど精緻な数値を示しても受け止めてはもらえません。財務分析の結果も経営者と現状認識を共有し、対話を始める共通言語なのだと感じました。

今回の講義全体を通じて実感したのは、「話し方」や「聴き方」が単なる技法ではないということです。それは経営者の背中を押し、次の行動を引き出すツールの一つだと感じました。

どれほど優れた分析や戦略も、伝える表現力と熱量が伴わなければ実行に結びつきません。一色映里講師に学んだ、経営者の心に響く「伝わるコミュニケーション」を実践できる診断士を目指してまいります。

次回(第4回)予定

日時:2026年9月5日(土)9:15~17:00(9:00開場)

会場:明石町区民館(東京都中央区明石町14番2号)

講義内容:

①09:15~10:40 課題図書「マネジメント基本と原則」(講師:鈴木康文会員)

②10:50~11:45 DX支援(講師:平山弘之会員)

③12:45~16:45 公的支援と補助金申請支援(講師:佐竹聡会員)

(若林克磨会員、五箇良太会員、羽田野沙綾会員)

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