実務の場
[2022/08/21] 墨田区の江戸野菜 第1回「寺島なす★祭り!」開催報告
8月21日(日)、寺島・玉ノ井まちづくり協議会(以下、てらたま協議会)と一社)てんてんが主催し、城東支部地域支援部が協力した「第1回 寺島なす★祭り!」が、隅田公園そよ風ひろばで開催されました。
「寺島なす」は寺島(現在の墨田区東向島)付近で栽培されていた江戸野菜の一つで、徳川の将軍も食した、小ぶりで甘みの強いなすです。つい最近までは幻の野菜と化していましたが、てらたま協議会はその復活に取り組んでおり、「寺島なす★祭り!」もその一環となります。城東支部地域支援部も、昨年10月に同協議会と合同で開始した「寺島なすブランディングプロジェクト」の活動の一つとして、このお祭りの企画立案から運営までを支援しました。
お祭りの目玉イベントは、墨田区内の飲食店8店舗が独自に開発した寺島なす料理を、来場者の方々に食べ比べて頂いて投票してもらう「N1(ナスワン)グランプリ」。その他、「青果リレー(聖火ならぬ青果寺島なすを持って地域の商店街や要所を巡るリレー)」や、「寺島なすと江戸東京野菜のお話」、「なすのうた・寺島茄子之介音頭による盆踊り」など、寺島なす尽くしのお祭りでした。
朝の雨模様でお祭りの賑わいが心配されましたが、雲間から夏の太陽が顔を出したお昼過ぎには、テント下でくつろぎながらなす料理やかき氷に舌鼓を打つお客様が増え始め、最終的には予定よりも1時間以上も早く寺島なす料理が完売となる大賑わいとなりました。
N1グランプリの大接戦を制したのは、両国のダイニングバー・バル「ボンズハウス」さん。そして、準優勝は、同点で江戸野菜が楽しめる居酒屋「押上よしかつ」さんと、幻の極上豚を使ったボロネーゼが自慢のイタリアン「両国レガート」さん。「ボンズハウス」さんには、墨田区の山本区長から、お祝いの言葉と共に表彰状が手渡されました。
N1グランプリ発表後は、大人・子どもに関わらず一緒に輪になって踊る盆踊り。夕方の公園に響く、日本情緒感じる太鼓の音や唄、そして踊りに、公園の脇を行き交う地域の方や外国の方々が、足を止めて楽しそうに撮影していたのが印象的でした。
寺島なすブランディングプロジェクトでは、今後は「寺島なす★祭り!」を毎年開催し、このお祭りをきっかけに寺島なすを定番メニューとして提供して頂ける店舗を墨田区内に増やし、そのメニューを目指して区外からやってくる訪問者を増やすという形で、寺島なすを墨田区の名産に育てていければと考えているとのこと。城東支部地域支援部も、本プロジェクトを通し、地域資源である「寺島なす」のブランディングや、安定供給に向けた生産農家さんとの連携強化支援を進めていきたいとの思いを話されていました。
(沼辺昭彦会員)