支部会員の皆さまへ
[2023/02/18]城東支部社会貢献事業「気候変動経営」セミナー実施報告
城東支部社会貢献事業の気候変動経営チームは、2月18日(土)午前10時より、『気候変動経営のススメ~事業所向け省エネセミナー連携イベント』を開催しました。当日は、朝の引き締まった空気の中にそびえ立つ東京スカイツリーを間近に望みながら、墨田区役所12階の会議室からハイブリッド形式で配信しました。
本セミナーは、2022年度に城東支部社会貢献事業が取り組む3つのテーマ「気候変動経営」「サーキュラー・エコノミー」「レジリエンス経営」のうち、「気候変動経営」のチームが調査・研究を重ねてきた成果を発表しようと、かねてより温めてきた企画です。併せて、中小規模事業所の省エネルギー推進を目的とする墨田区の事業と連携して実効性の高いものを目指しています。参加者募集の告知は城東支部および東京協会全体へのメルマガや墨田区広報誌などで行い、大企業の環境部門担当者や地元中小企業経営者を含む約60名の申し込みがあり、約40名にご参加いただきました。
内容は2部構成とし、第1部で「気候変動にまつわる世界の潮流と中小企業経営に求められる基本的考え方」を解説。第2部は墨田区から委託を受けた東京都地球温暖化防止活動推進センター(クール・ネット東京)による省エネルギー対策講習となっています。第1部では、脱炭素をめぐる国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)の動き、経営戦略の開示(TCFD)、目標設定(SBT、RE100)などの基本情報から、サプライチェーンを見渡したScope1、Scope2、Scope3の観点へとスポットを当てました。さらに、大企業の現状ヒアリングと中小企業の取り組み状況といった生の情報は、特に参加者の興味を引いたようです。第2部では、省エネルギーと再生可能エネルギーの必要性と効果を詳細に説明の上、省エネルギー実践の具体例や東京都の支援策として「省エネルギー診断」などが紹介されました。
アンケートの結果を見ると、参加者の皆さまのテーマへの関心の強さが表れており、ありがたいことにセミナー全体の満足度も非常に高いものでした。脱炭素への取り組みは不可避であり、サプライチェーン全体での取り組みはこれから本格化すると思われます。そのため、中小企業では先行して仕掛けることが差別化要素になり得ます。業界状況にアンテナを張るとともに、入り口としては自社の排出量の把握と省エネの取り組みです。こうした点から、私たちは中小企業診断士として事業者の皆さまへの支援に力を入れていきたいと考えています。
(宮田昌尚 会員)