城東支部

学びの場

[2026/01/29]東京信用保証協会 登録専門家交流会(第3回) 開催報告

城東支部能力開発推進部では1月29日(木)、中央区の新川区民館にて「東京信用保証協会登録専門家交流会」を開催しました。
 各地の信用保証協会では、信用保証を利用する中小企業に対して様々な経営課題の解決をサポートするために、中小企業診断士などの専門家を派遣する制度を設けています。東京都中小企業診断士協会は、東京信用保証協会からこの専門家派遣の委託を受け、登録された城東支部会員が日々事業者の支援にあたっています。本交流会は、専門家派遣に従事する診断士が事例共有や意見交換を通じて、支援スキルの研鑽とネットワーク構築を図ることを目的としています。当日は登録専門家25名が参加し、非常に熱気のある情報交換の場となりました。

 開会にあたり、まずは入山央能力開発推進部長より、昨今の保証承諾件数や代位弁済の推移といった信用保証の利用動向について解説がありました。こうした企業の資金繰り環境や金融機関の動向を把握することが、支援先企業や金融機関との信頼関係を構築する土台になると強調されました。続いて、松井淳支部長からは、城東支部における専門家派遣の概況が語られ、より多くの会員がそれぞれの強みを活かして活躍することへの期待が述べられました。



【専門家による事例発表】
 事例発表では、2名の専門家に登壇いただきました。 道浦健治会員からは、城東エリアの製造業を中心とした豊富な派遣実績に基づき、経営支援の本質についてお話しいただきました。専門家派遣のように面談回数が限られた中で成果を出すためには、難解な経営理論を提示するよりも、経営者の記憶に残る「本質的でシンプルな問いかけ」が重要であると述べられました。具体的には、「誰に」、「何を」、「いくらで」、「いつ回収するか」といった商売の基本に立ち返り、相手のビジネスを咀嚼し、わかりやすく伝えることの大切さを強調されました。
 また、支援事例を挙げて、経営者とスタッフの間にある認識のギャップを埋めるためのアプローチが紹介されました。スタッフへのヒアリングを通じて組織の現状を「見える化」し、ターゲットとなる顧客層のニーズを再定義することで、経営者が進むべき方向を自ら言語化できるよう導いたプロセスが語られました。施策のメリット・デメリットを提示し、経営者自身に決断を促すことで前向きな行動を引き出すという道浦会員の支援スタイルに、参加者は深く聞き入っていました。



 次に登壇した福地信哉会員は、「困難事例への対応」をテーマに発表されました。
 相談当初に示された課題と実際に訪問して判明した状況が大きく異なるという事例を挙げて、福地会員自身が「聞き役」に徹することで経営者の「本音」を引き出すことの重要性を強調されました。例えば、ホームページ作成の依頼の裏に、実は新商品開発への想いが隠れていた事例を挙げられました。また、対話を通じて経営者の想いや考えを掘り起こし、相手の理解度に合わせて段階的な助言を行うことで信頼を築くアプローチが紹介されました。福地会員のこのアプローチは、多くの参加者の共感を呼びました。



【ワークショップ】
 その後行われたワークショップでは、支援現場での「想定外の事象への対応」や「経営者の主体性を引き出すためのアプローチ」といったテーマで、活発なグループディスカッションが繰り広げられました。ベテランから若手まで、現場での苦労話や独自の工夫をぶつけ合い、時間を忘れるほどの盛り上がりを見せました。参加者からは「他者の視点を入れることで、支援の引き出しが増えた」といった声も聞かれ、非常に有意義な時間となりました。



 交流会の終了後には近隣の会場で懇親会が開催されました。交流会では語り尽くせなかった日々の支援業務に関する悩みや将来の展望について語り合う貴重な機会となりました。城東支部能力開発推進部では、今後も会員のスキルアップや交流を促進する勉強会やセミナーを企画してまいります。

(能力開発推進部 小野内勇人会員)

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