[2022/11/07]いよいよ大詰め 神石高原町版経営デザインシート作成研修

11月7日（月）～8日（火）、広島県神石高原町の若手・中堅職員を対象とした「経営デザインシート」作成研修に、講師として現地訪問してきました。

6月の初回研修時に紹介（7月掲載）した通り、本研修企画のきっかけは、2019年秋にさかのぼります。当時、2019年度城東スキルアップ内の実務従事案件として、受講生有志のメンバーと共に、東京都内で居酒屋を経営しながら三重県で漁業に進出した株式会社ゲイト社の支援を行い、同社のビジネスモデルをベースに「地方創生☆政策アイデアコンテスト2019」に応募しました。コンテスト応募のための打合せをゲイト社の店舗で行った際、同社の五月女社長から神石高原町の入江町長を紹介いただいたのが、最初のきっかけです。当時参加していた診断士メンバーは、その場で入江町長と意気投合し、「診断士の立場で何かお手伝いできないか。まずは現地視察を」という話になりました。

しかしながら、その後発生した新型コロナの影響で訪問のタイミングが見いだせず、代替手段として2021年1月よりオンラインミーティングを重ねてきました。窓口となる神石高原町政策企画課様との議論を経て、「将来の神石高原町を支えていく町の若手有志職員を主体に、町の将来ビジョンを構想しながら経営視点のフレームワークや考え方を学び、その成果物として経営デザインシートを作成していこう」、「考え方や作成ノウハウについては、診断士が研修講師の形でサポートしていこう」という形となり、今年6月より研修がスタートしました。

受講者全 10名は、自発的に手を挙げて参加しているメンバーです。講師陣は、2019年当時の城東スキルアップ実務従事案件に参加したメンバーに、地方創生に関心を持ち、経営デザインシートや知的資産経営に知見のある新メンバーを加え、城東支部会員有志7名と、広島県協会所属の元城東支部会員1名、計8名の構成です。普段東京で活動している中小企業診断士がプロジェクト形式で地方の自治体支援を行うスタイルは新たなチャレンジですが、神石高原町としても完全希望者制の長期研修は初めての試みとなります。

本研修は、6月から来年の2月までの9ヶ月間、月1回のペースで現地訪問やオンライン形式で研修を重ね、「町の将来ビジョンを構想しながら、経営視点のフレームワークや考え方を学び」、成果物として「経営デザインシート」を作成していくものです。第6回となる11月講義は、6月・8月に続く3回目の訪問研修形式での開催です。講師陣は研修前日の11月6日（日）に現地入りし、半日かけて町の主な施設や自然を巡り、町の強みを再確認した上で、当日の研修に臨みました。

6月の第1回研修以降、「①町の目的・特徴」「②ビジョン」「③これまでの価値を生み出すしくみ」「④これからの価値を生み出すしくみ」を明らかにして経営デザインシートに落とし込んできましたが、今月は、「これからの姿を実現するステップとして今から何をすべきか」を考える「移行戦略」がテーマです。宮田昌尚会員、川村匡弥会員、鈴木康文会員の3名がファシリテーター役となり、ワークショップ形式中心に講義を進めていきました。

普段の業務ではお互いに接点の少ない職員も多く、6月の研修開始当初は手探り状態でコミュニケーションを取る受講生が見られましたが、研修が進むにつれ、「同じ方向を向いて、より良い内容に仕上げていこう」という受講生の気持ちがひしひしと伝わってくるようになりました。

今回の研修をもって、経営デザインシートは一通り出来上がりました。今後は、「記載内容の漏れ・ズレ」、「より良い表現がないか」という視点でブラッシュアップを図り、2月の町長宛報告会に臨む予定です。我々講師陣も、より良い「神石高原町版経営デザインシート」の完成に向け、引き続き全力でサポートして参る所存です。

（鈴木康文会員）