城東支部

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[2021/11/13]J-Step(行動する診断士の会)秋大会『今日からできる認知症対策』開催報告

11月13日(土)午後1時より、J-Step (行動する診断士の会) 秋大会『今日からできる認知症対策』がWebで開かれ、好奇心が特に旺盛な28人の診断士の参加を頂きました。



冒頭、会長(私)より、診断士は専門分野でないことでも意見を求められることが多く、いつでもそれなりのことが話せるためのそしてそれを悟られることがないような「知ったかぶりスキル」(STB Skill)を高める必要があり、新たな知見を吸収していくべきとの挨拶をさせて頂き、先ず二瓶会員より、概論として(1)認知症とは、(2)認知症は何故問題なのか、(3)認知症予防の方法について一通りの解説を頂きました。
(1)では認知症というのはそれ自体が病気ではないこと、統計上は65歳以上の人の6人に一人が認知症の可能性があるということ、「アルツハイマー型」「脳血管性」等、認知症には大きく4種類のものがあるという説明を頂き、(2)認知症の問題については。「ヒト」「モノ」「カネ」に分けて具体的な解説がありました。



特に「カネ」については、認知症で資金凍結されている方の資産が。とある推計では国家予算並120兆円あり、様々な法規制がある中、最近では「家族信託」という制度が注目されているということがご自身の体験も交えて紹介されました。また(3)予防の方法としては。①食生活(抗酸化作用のある食品等)、②運動(適度な運動)、③知的行動。④人との交流があり、事例として、オムニサイズという高齢者向けのエクササイズや、流行の健康マージャンの他、マリオカートやダンスレボリューション(の高齢者版)等、我々にとっても馴染みの深い事例を紹介頂き、認知症についての理解を深めました。



続いて第2部では、実際にその認知症予防対策を体験してみましょうということで、小貫会員の進行で「文字を並び替えて言葉をつくるゲーム」と「2枚の絵の間違いを探すゲーム」をみんなでやってみました。いずれも脳活として有効ではあるのですが、大事なのは、問題中に認知症の対象者であろう高齢の方の世代に合わせた過去の記憶を呼び覚ます仕掛けが入っている点で、「言葉をつくるゲーム」に「さだけいじ(中井貴一さんのお父さん)」や、間違い探しの絵の題材が大阪万博や今は珍しい自転車で出前持ちするお蕎麦屋さんだったりして、「そうそうこの頃は…」と話のタネが満載されている点が目からウロコでした。



休憩中にも椎名会員が作成した「認知症の方が見ている景色を体験するビデオ」が紹介され、参加者は休憩することも忘れ認知症ワールドに引き込まれてしまいました。



そして第3部はJ-Stepならではの企画で、椎名会員のリードで、Zoomのブレイクアウト機能を使って4~5人に分かれてのグループディスカッションでした。テーマは「認知症に対して今私たちができること」という大変ざっくりとしたテーマであったにも関わらず25分の自由討議の後の発表は、バラバラの提案ながら、それぞれが大変面白いものになりました。



福永さんチームでは、雇用延長で社内に高年齢者が増えることを想定し、「認知症を深めましょう」というテーマで、質問に対してトンチンカンな回答をする「認知症ボット(AI)」を開発し、認知症予備軍に対しての事前準備をすることが提案されました。



根津さんチームでは、「介護と仕事の両立のための求人・求職サイト」の立ち上げ、①IP電話を使用したコールセンター、②オンライン英会話、③採点業務等が提案され、更に、託児所ではなく介護者向けデイーサービスを職場に設置するという逆転の発想も披露されました。



湯山さんチームでは、「あなたの想いで届けます」をテーマに、認知症予備軍の方の脳の活性化を図るために、過去の記憶から母校(があった場所)の現在、友人や初恋の人の今、などを探してくれるサービスが提案されました。それでどうやって稼ぐのという点ついては、他グループからYoutubeで広く働きかけて、広告収入を募るという案も出されました。



最後、荒井さんチームでは、徘徊予備軍の方とその家族向けにスマホの位置情報や写真機能を使って徘徊をシミュレートする企画が提案されました。家族にとっては徘徊を事前に体験できると共に、本人にとっても見守られることの抵抗感を今のうちに和らげることができるというもので、名付けて「はじめての徘徊」というネーミングも高い評価を受けました。
いずれの企画も更に詰めれば本当に商品化するのも難しくないとは進行の椎名会員の感想で、参加者はみんな、ウェビナーだけでは味わえないオープンで創造的な時間を過ごすことができたものと思われます。

J-Step(行動する診断士の会)は、春夏秋冬の年4回開催。次の冬大会は、来年2月19日(土)を予定しております。次回も診断士としての私たちの好奇心をくすぐる興味深いテーマを用意しますので是非ご参加下さい。(末林和之会員)

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