城東支部

学びの場

[2021/11/6]2021年度 城東スキルアップコース(第6回)開催報告

朝晩は冷え込み、季節の移り変わりを感じられるようになった11月6日(土)、城東スキルアップコースが浜町区民館で開催され、受講者22名が参加しました。緊急事態宣言が解除されて1カ月が経ち、初めて会場で開催することができました。


今回の講義内容は次のとおりです。

1.伝わる話し方(講師:一色映里氏 ストラーダ合同会社 代表)

2.公的支援制度の活用(講師:橘真美子会員)


1.伝わる話し方(講師:一色映里氏 ストラーダ合同会社 代表)

最初の講義は、ラジオ局アナウンサーや放送作家、コピーライターとして経験豊富な一色映里氏による「伝わる話し方」です。診断士として話す力も求められる受講生にとって、プロのアナウンサーによる講義は、新鮮で充実感のあるものでした。

実践的トレーニングを中心に、①発声&滑舌の基礎トレーニング、②スピーチ、プレゼンの構成と演出、③聞きやすい話のテンポと「間」の使い分け、④メリハリの付け方、⑤コミュニケーションのテクニック、を学びました。




発声&滑舌のトレーニングでは、受講生全員で北原白秋の「五十音」を少しアナウンサーになった気分で音読し、腹式呼吸を意識した発声練習を行いました。解説いただいたスピーチのテクニックには、「話のテンポは状況に応じて1 分間に300~400字が目安」「聞き手が内容を受け止め、理解するための『間』を取る」「アイコンタクトは 『遠く』から『近く』へ」など実践的なものばかり。さらに、「大きな声と通る声の違い」など随所で実演もあり、より理解が深まりました。

また、受講生全員が各自用意した原稿を用いて実際にスピーチ練習も行い、講師から一人ひとり個別にご指導をいただきました。「話すスピード」「間のとり方」「メリハリのつけ方」を実感し、イメージを身につけることができました。

今回の講義は、実際のスピーチにおいて、多くの気づきのある有意義なものとなりました。




2.公的支援制度の活用(講師:橘真美子会員)

公的支援機関の業務を中心に活躍されている橘真美子会員より、「専門家派遣(公的支援機関業務)」と「補助金・助成金制度」の講義があり、その後、講義内容を踏まえて、事業者の支援策を検討するグループワークを行いました。



① 専門家派遣(公的支援機関業務)

公的支援機関(国、都道府県、市区町村、商工会議所・商工会、信用保証協会)の専門家登録制度について、豊富な実務経験に基づく事例紹介を交えて講義いただきました。専門家として登録し活動するために必要な心掛けや、公的支援機関や事業者とのやり取りなど、体系的にお話しいただけたことで実務をイメージできるようになりました。

また、事業者を支援するときの意識として、社長の力になりたいという気持ちや、社長の思考(想いや夢)を聞き、引き出して、見える化することが重要だと再認識しました。



② 補助金・助成金制度

補助金・助成金制度の概要や支援での留意点など講義いただきました。

書類に不備がなく要件を満たせば給付される可能性の高い助成金に対して、補助金は内容の審査によって採択が決まるものが多く、補助金申請支援にあたっては、審査員の視点に立つことが重要だと認識できました。

また、コロナ禍への対応で新設された支援策や事業再構築補助金については重点的にお話しいただきました。特に事業再構築補助金に関しては、コロナ禍を機に事業の転換・新分野展開・再編を図る企業にとって大きなチャンスとなり得ることを理解しました。



講義を聞いてあらためて感じたのは、中小企業診断士が担う役割の重要性でした。事業者を支援するためには、補助金・助成金に関する理解を深め、状況に合ったものをわかりやすく説明・提案できるようになることが重要だと感じました。



③ グループワーク・発表

最後にこれまでの講義内容を踏まえて、「いろんな業種の事業者さんを支援するために」と題して、6つの異なる業種の事業者への支援・提案を検討するグループワークを行いました。所要時間40分で提案をまとめて5分間の発表を行うもので、短時間で情報を収集・整理し、資料作成して発表するスキルとチームワークが試される機会になりました。

6チームに割り当てられた事例が業種も事業者の想いも異なることもあり、環境分析や提案の着眼点や切り口がさまざまで、各チームの発表を聞いていて多くの気づきを得られました。発表の後には質疑応答が活発に行われ、会場にいる全員がお互いに表情や反応を読み取れたこともあり、対面でコミュニケーションができる楽しさを久々に実感できました。





3.感想

今回は、今年度の城東スキルアップでの最初のリアル講義でした。Zoomでしか会っていなかったメンバーに会えるということで、心待ちにしていた開催です。顔を合わせるまでは少し緊張しましたが、皆さんにお会いしてみると、やる気に溢れた話しやすそうな人ばかりでした。

リアル講義では、場の雰囲気、講師や受講生の反応がよく伝わってきます。その中で前半講義のスピーチ練習をリアルに行えたことは本当に良かったと思います。また、後半講義の中小企業支援策のディスカッションにおいても白熱した議論を交わすことができました。

休憩時間は多くの人が挨拶と名刺交換で交流を楽しんでいました。オンラインにはオンラインならではの良さがありますが、一方、スピーチ練習やグループワークでの意見交換、そして人との交流に関しては、リアルでの会場開催の方がより意義あるものになると実感できました。

今回あらためて感じたのは、私たち受講生は診断士活動の幅を広げるための学びと交流の機会を、事務局の皆さまをはじめとする多くの方のご尽力により得られている、ということでした。城東スキルアップコースも残り4回。貴重な機会を生かし、学びを実践していきたいと思います。



4.次回(第7回)の予定

日時:2021年12月4日(土)9:15~17:00

会場:明石町区民館(東京都中央区明石町)

講義内容:
  • 課題図書発表「ストーリーとしての競争戦略」
  • 課題図書グループワーク 講師:鈴木康文会員
  • 創業支援 講師:鈴木美穂子会員

(佐藤圭則会員、齋藤昌平会員)

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