学びの場
[2021/11/28]葛飾区立石図書館ビジネスセミナー
「今さら聞けないテレワークのイロハ」開催報告
■セミナー概要11月28日(日)の午後2時から、葛飾区立立石図書館に於いて、ビジネスセミナー「今さら聞けないテレワークのイロハ」が開催されました。講師は早川昌宏会員です。
セミナー当日は、感染予防対策として募集人数を限定し、会場での検温や手の消毒、会場換気など万全の対策を行った上で開催されました。セミナーには、40代から70代まで幅広い世代の方々が参加され、受付開始前から入口に並ぶ参加者の方もおり、テレワークという時世に合致したテーマへの関心の高さを感じました。
講師の早川会員は、直近のコロナ禍が起きる前から、テレワークを活用した社会的課題解決を国・自治体と共に取り組んでおり、多くの経験を有しています。これらの経験を踏まえ、「地元企業が元気になることは、地域の活性化につながる」というご自身の熱い思いを伝え、会場参加者の心を掴み、セミナーをスタートさせました。
■第一部 基礎知識・導入方法(テレワーク「どうやるの?」)
冒頭で、「テレワークで思い浮かぶことはなんでしょうか?」と問いかけを行い、参加者数名からテレワークのイメージを発表いただきました。この問いかけにより、参加意識が高まった印象を持ちました。
テレワークの形態は、在宅勤務だけでなく、モバイル勤務、サテライトオフィス勤務、最近はワーケーションも含まれるという説明があり、就業者だけでなく、企業や社会にとっても、さまざまなメリットがあることが紹介されました。
テレワークの導入にあたっては「①全体像をつかむ」→「②方針を決める」→「③ルールを作る」→「④ICT環境の構築整備」という4段階のプロセスがあることを丁寧に説明した上で、この順番が非常に重要であると、経験談も踏まえ力説していました。テレワークというとICT環境の構築から考えがちですが、まず全体像を考え、導入の基本方針を決め、テレワークを行う業務や制度の明確化などに経営者が関与することの重要性が認識できました。参加者も新たな視点を得ていた印象です。
最後に「テレワーク成功のポイント」として、業務(運用)とICTシステムは両輪であり、どちらかに偏ることなく、両輪をしっかりと考えて進める必要があると説明。20年間、法人企業にコンサルティングを行ってきた経験から、使われない無駄なシステム投資が発生する問題点について、力説されていた姿が印象に残りました。
■第二部 上手く使う方法・売上アップの方法(テレワーク「これでいいの?」)
休憩を挟み、第二部がスタート。再度、参加者に質問を投げかけ、雰囲気を作りながら、再開しました。
第二部では、コロナ禍でテレワークの導入が進んだ一方で、テレワークの利用者、企業にとって、メリットだけでなく、さまざまな課題が見えてきたことについて説明がありました。例えば、「コミュニケーション減少による作業効率の低下」、「時間管理が難しく、だらだらと仕事を続けがち」「通勤がなくなり外出が減り、運動不足」などの課題です。そして、それぞれの具体的な対策(ツール活用等)が丁寧に紹介されました。早川会員自身の取組みも紹介され、その効果をリアルに把握することができました。また、運動不足解消の対策のひとつとして、気軽にできる簡単なストレッチ運動の紹介がありました。
次に、コロナ禍におけるテレワーク営業活動のノウハウを解説。非対面営業が必要とされてきている背景から説明し、従来の「会ってなんぼの営業」からの脱却を唱えました。実例として、早川会員がコンサルティングした中小企業の事例の紹介があり、具体的な対策イメージがつかめ非常に参考になりました。
■最後に
「テレワークは働く場所、働き方等、個々人のライフスタイルをより大きく反映できるものであり、テレワークの良さを体感した人は、もはや元には戻らない。対面・非対面の比重が変わり、「ハイブリッド型」が新標準になっていく、この社会変化は新たなビジネスチャンスの到来でもあり、積極的に取り入れていっていただきたい。」と、締めくくりました。
最後に参考書籍等を説明した上で、葛飾区立図書館の「蔵書検索システム」の利用を推奨し、利用者視点での利便性をアピールされていたのが印象的でした。質疑応答では、セキュリティ対策に関する質問を受け、参加者の方々が疑問に感じる点を把握することができました。
図書館ビジネスセミナーでは、テーマの関連書籍を会場に用意し、閲覧できるようにしているのが特長です。実際に、休憩時間や帰り際に、参加者が書籍を手に取り閲覧しており、図書館利用との相乗効果が感じられました。
本セミナーの内容は城東支部YouTubeチャンネルで配信中ですので、ご興味のある方は是非、ご覧下さい。
https://youtu.be/VpUShG7NYVI
(内田泰裕 会員)