城東支部

学びの場

[2023/09/02]2023年度 第4回城東スキルアップコース開催報告

9月2日(土)、2023年度城東スキルアップコースの第4回目が明石町区民館にて開催されました。32名の受講生中、27名が出席しました。 

第4回目のプログラムは次のとおりです。

  1. 課題図書「コトラーの戦略的マーケティング」
  2. 地域支援
  3. 人事戦略
  4. ~中小企業・生き残りの切り札~ 外国人材が中小企業を救う!

1.課題図書「コトラーの戦略的マーケティング」の受講生発表(講師:鈴木康文会員)

課題図書の2回目は、「コトラーの戦略的マーケティング(著者:フィリップコトラー、訳:木村達也)」を題材に、2つのグループに分かれたうえで、受講者が各自3分間のプレゼンテーションを実施しました。また、本書やそれぞれの発表に対する意見交換も行いました。

その後、受講生全員で鈴木康文会員の講評を拝聴し、各グループを代表する受講生がプレゼンテーション及び意見交換の様子を発表しました。

第3回の一色映里氏の講義で学んだ話し方やテクニックを取り入れて発表している受講生が多く、課題図書の1回目の発表よりもそれぞれの個性が強く出てきたのが印象的でした。

2.地域支援(講師:高田副支部長)

城東支部の地域支援部長でもある高田副支部長より、地域支援の活動について多数の事例をお話し頂きました。
最初に墨田区の事例がいくつか紹介されました。地元名産の江戸東京野菜「寺島なす」を使った寺島なす★祭りを開催し、地元の方も含め大いに盛り上がったというお話では、中小企業診断士が関わることが地元の方からとても歓迎されるという言葉に意を強くしました。また、シニアも働くことができ、子どもや観光客も来る農園を作るという目標を持って、草取りから地元の方と汗を流したというお話では、地域の絆を深める達成感を味わう醍醐味がひしひしと伝わってきました。

続いて南伊豆と浜松の事例を紹介頂きました。南伊豆の事例では、Facebookを使った「南伊豆ファンクラブ」が地元の方たちを巻き込んで盛り上がっており、SNS活用の重要性にあらためて気づかされました。浜松の企業支援ではテーマパークのリニューアル支援にあたり、リノベーションだけでなく商品開発や販促まで幅広く提案されておられました。そうした積極的な姿勢が中小企業診断士の価値を高め、さらなる技能向上につながっていくのだと理解しました。

今回の講義によって、具体的な支援内容を知ることができただけでなく、人とのつながりや、支援も地域イベントも継続することが大事だということをあらためて認識させられました。

3.人事戦略(講師:木村和広会員)

午後の講義は木村和広会員による人事戦略についての講義から始まりました。講義のゴールは「中小企業診断士として、経営者に人事課題のインタビューができる状態になること」と「人事戦略のアドバイスをする際に、論理的な体系を理解すること」の2つです。一般的に、人事といえば社会保険労務士という印象が強いかと思います。実際には、社会保険労務士は労働社会保険手続きや労務の領域を担当することが多く、中小企業診断士には人材育成、採用、人事DXといった手続き面以外の領域で活躍が求められています。
ハッとさせられたのは、経営者に単に「課題はなんですか」と聞いているだけでは、会社が本当に解決すべき課題にはたどり着けない、という点です。経営者に漫然とインタビューするのではなく、対象者別(役職別)入社~退職までのフロー、コストパフォーマンスと3つの観点を用いて、人事課題を体系化、優先順位付けする大切さを理解しました。

 

講義の終盤では、グループディスカッションを実施しました。実在する企業を例として、人事課題の優先順位付け、解決策の検討を行いました。各グループの発表では、いきなり人事課題に着目するのではなく、まず「経営戦略は何か」、「解決すべき経営課題は何か」を明らかにしたうえで、人事課題に着目していくグループが多かったです。「人事戦略は経営戦略を達成するための戦略である」という本講義での学びを活かしたディスカッションができていたと思います。
これまでの経験上、人事領域には馴染みがありませんでしたので、診断士活動の中で不安がある部分でした。今回の講義を通じて、人事戦略について体系的に学べたことでいくらか不安を解消することができました。

 

4.~中小企業・生き残りの切り札~ 外国人材が中小企業を救う!(講師:増田憲二会員)

「外国人材の力を活かして、ニッポンを元気に!!」という熱いミッションを持ち、中小企業のグローバル化支援をされている増田憲二会員に小企業における外国人材活用について講演を行っていただきました。冒頭、日本の将来推計人口の図から、日本の総人口は今後10年ごとに約700800万人減少する上に、生産年齢人口は加速度的に減少するというお話を伺いました。衝撃的であると同時に確実性の高い予測を解説いただき、外国人材活用の重要性を痛感しました。 

Part1では、外国人材活用における現状の問題点から、日本企業の外国人採用が進まない原因を説明いただきました。国の制度上の問題も大きいものの、採用する企業側の問題点も分かりやすく解説いただきました。
Part2では、在留資格について説明いただきました。在留資格の種類もたくさんありますが、「活動系」か「身分系」の2種類に分けて解説いただくことで、外国人材ができること、できないことを理解することができました。
Part3では、外国人材を活用するための留意点と心得を説明いただきました。外国人材が何を重視しているか、一緒に働くにあたり文化の違いを理解する重要性を学びました。 
最後に、日本の将来推計人口を踏まえて「今後、中小企業に対してどのようなアドバイスをすべきか?」というテーマでグループディスカッションおよび発表を行いました。現実に直面する人口減少問題に対して様々な意見が出たので、今後の診断士活動にも活かしていきたいと思いました。 

5.感想

今回は、地域支援、人事戦略、外国人活用と診断士の活動領域の広さを改めて感じることができました。今後、プロコンとして活動していく上で専門領域だけでなく幅広い領域の基本知識を学んでいきたいと思いました。

6.次回(第5回)の予定

日時:202310月7日(土)9:1517:00
会場:中央区 新川区民館(東京都中央区新川一丁目26番1号)
講義内容

  • 事業継続計画(BCP)(講師:長島孝善会員)
  • 資金繰りと管理会計、収支計画の作成(講師:本田一也会員)

 (杉本憲一会員、谷口聖会員、亀井誓子会員、小野内勇人会員)

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