城東支部

学びの場

[2024/03/16]2023年度 城東ポータブルスキルコース 第5回講義開催報告

 2024年3月16()、「城東ポータブルスキルコース」の第5回講義が、堀切地区センター(葛飾区堀切)にて開催されました。

【講義1:伝わる話し方(Strada LLC:一色映里講師)】
 午前中は、「スピーチ&プレゼントレーニング」がStrada LLC 一色映里講師のカリキュラムに沿って実施されました。筆者にとっては、「プロの話し方って凄い!」という衝撃的な「ノウハウの塊」でした。
講義は、「プログラム」に沿って進みます。以下、プログラムの概要と感想です。

1声のウォーミングアップ 発声と滑舌

 プログラムは、北原白秋の「五十音」という詩を題材に展開されました。
 まずは、講師の「いっち・に」のキューに沿って全員が腹式呼吸で発声練習。体育の授業前のラジオ体操と一緒で、ちゃんとやると身体がポカポカしてきます。
 「第一声」にはじまり、「声の高低」「語尾の意識」などを意識的に変えた実演を披露していただきながら、参加者全員で練習。
 「同じ内容なのに印象がこれほどまでに違うのか」と納得しながら体験していきました。

2スピーチの構成&演出のコツ

構成のコツ:「相手は誰で、自分は何を最も伝えたいか」を意識して、ストーリー形式で組み立てる。
・演出のコツ:「話し言葉(相手は聞く)」と「書き言葉(相手は読む)」は別物、話す言葉は消えるのでその場で頭に残らないと伝わらない。
との説明が強く印象に残っています。

3 「テンポと間」「メリハリ」

 アナウンサーはテレビとラジオで話す速度を意識的に変えているのだそうです(一色講師は、FM愛媛のアナウンサー出身とのことでした)。
 具体的には、ラジオのテンポが1分間あたり300語程度であるのに対し、視覚情報を伴うテレビでは3割増の400語程度まで上げても可能とのことでした。
 パワーポイントの資料を目で追いながら実施する形式が多い診断士のセミナーでは、どのくらいのテンポが適当なのか?研究していきたいです。また、キーワードが耳に残るように、「①声の高低、②声の大小、③テンポの緩急、でメリハリをつけるのも重要だ」と、教えていただきました。

4 コミュニケーション

 セミナーでは、参加者といかにコミュニケーションをとるか、が重要です。「あの先生のセミナー、つまらなかった」と言われてしまっては、二度とお声はかかりません。
 そうならないためにも、参加者とのコミュニケーションは重要です。「アイコンタクト」「間」「ゼスチャー」などの技術を、実演を交えて解説していただきました。
 また質疑応答では、最近増えている「オンラインセミナー」での留意点もテーマになりました。講師もまだまだ開発中だそうですが、いくつか秘技?を伝授していただきました。

5最後に

 自分のために話すのは「素人」。聞き手のために(声を)放すのが「プロ」だと、当日の進行スケジュールやリハーサル時のセルフチェックの書き込みが詰まった台本を見せていただきながら、説明がありました。ラジオの構成作家のご経験を生かしたノウハウとのことで、非常に参考になりました。
 全体を通して、ビジネスの現場でも、すぐに実践可能なノウハウ満載の講義でした。一色講師はもちろん、企画していただいた事務局の皆様、ありがとうございました。



【講義2:成果発表会(進行:鈴木康文会員)】

 午後のプログラムは、これまで学んだポータブルスキルを、実践的かつ統合的に活用してアウトプットする「成果発表会」です。
 事前課題は、「①中小企業診断士活動以外のビジネスを行うとしたら?」「②身近な創業希望者や在籍中の企業などを対象に、提案書を作成する」のいずれかをテーマとして、「報告書(Word形式)」と「プレゼンテーション用スライド(Power Point形式)」を作成することでした。
 当日の発表は、持ち時間4分程度で、用意したスライドを用いてプレゼンテーションをしました。参加者の中には、午前中の学びを早速活用すべく、発表用の資料を昼食休憩中に急遽修正する方もチラホラ見受けられました。
 各人のプレゼンテーションに質問が相次ぎ、会場は大いに盛り上がりました。また、参加者にとっては、この半年間の努力が成長という成果として実感出来る大変貴重な時間となったと感じました。

【講義3:修了式】
 プログラムの最後は、修了式です。
 入山能力開発推進部長から、全員に「修了証」が授与されました。その後、運営サイドの皆様から、本プログラムの感想をお話ししていただきました。
 入山部長の「城東支部はみなさんのサードプレイス。ここではどんな失敗をしてもいい。本番で致命傷を負わないためにもここで積極的にチャレンジして欲しい」、事務局からの「今回学んできたポータブルスキルに加え、『どんなに内容が優れていても、形式要件を満たしていないと、公募を伴う案件の審査は通らない』」、という言葉が印象に残っています。

【全体を通しての感想】
 全5回に亘って開催された、「ポータブルスキルコース」。
 中小企業診断士として独立する、しないに関わらず、ビジネスマンとしても成長できる貴重な学びの機会でした。
 人と人のコミュニケーションを分解すると、「相手の話を聴く(ヒアリング)」と「自分の考えを伝える(大局観で捉えて、分析して、ロジカルにまとめて、伝える(見せる・書く・話す)」のキャッチボールです。
 これらの要素を、「再現性のあるスキル」として向上させ続けることが、プロとして「使える診断士」になる王道だと、改めて認識しました。日々実践しながら精進していきます。

(佐藤賢治会員)

 

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