学びの場
[2025/02/02]2024年度 第9回城東スキルアップコース開催報告
2月2日(日)、2024年度城東スキルアップコースの第9回目が人形町区民館にて開催されました。30名の受講生中、21名が出席しました。第9回目のプログラムは次のとおりです。
1. 課題図書「マッキンゼー経営の本質」(講師:鈴木康文会員)
2. 課題図書に関するグループワーク(講師:鈴木康文会員)
3. 事業承継(講師:海老沼優文会員)
4. 診断士の仕事の取り方(講師:吉岡雅樹会員)
1.課題図書「マッキンゼー経営の本質」の受講生発表(講師:鈴木康文会員)
本年度の課題図書の最終回では、「マッキンゼー経営の本質」(M・バウワー著)をテーマに、受講生全員が3分間のプレゼンテーションを行いました。
シリーズ全5回の発表を通じて、受講生の発表内容はより洗練され、多様なアプローチが見られるようになりました。例えば、マッキンゼーの代表的なフレームワークである「7S」に基づいた考察、過去の課題図書との比較・分析、業務への実践的な応用提案が印象的でした。さらに時事的な視点を取り入れた振り返りなど、それぞれが「何を伝えるか」「どのように伝えるか」を意識した工夫が随所に見られました。初回のプレゼンテーションでは、受講生の多くが緊張した面持ちで発表していました。しかし、回を重ねるごとに発表の構成力や表現力が磨かれ、最終回では自信を持って伝える姿が印象的でした。発表準備には少なくない時間と労力を要しましたが、それを乗り越えた経験を今後の診断士活動に活かしていきたいという思いを新たにしました。

2.課題図書に関するグループワーク(講師:鈴木康文会員)
課題図書発表後のグループワークでは、今年度の課題図書の理論を振り返るとともに、次に読みたい経営理論書について議論を行いました。
今年度の課題図書4冊の振り返りでは、それぞれの理論の概要を整理し、大石正明東京協会副会長が提唱する「大石ピラミッド(注釈)」のどの分野に該当するかを検討しました。グループディスカッションを通じて、各書籍の理論内容を改めて整理し、それぞれの関連性を俯瞰することで、理解を一層深めることができました。また、「大石ピラミッド」を用いた考察を行うことで、各経営理論が持つ体系的な位置づけや意義についての理解がより明確になりました。
一方、次に読みたい経営理論書の検討では、受講生が推薦図書を持ち寄り、その推薦理由とともに発表を行いました。今回の課題図書に関連する書籍に加え、日本企業の失敗事例を扱った組織論、教科書的な基礎知識から最新の理論まで、多岐にわたる10冊の書籍が紹介されました。受講生からは、「普段、自分が読みたい本を紹介し合う機会がないため、このような場が貴重」「学びを継続することの重要性を改めて実感した」といった声が聞かれ、知的好奇心を刺激する有意義な時間となりました。
本グループワークを通じて、受講生同士の相互学習が促進されるとともに、今後の学びの方向性について考える貴重な機会となりました。
(注釈)大石ピラミッドとは、経営の原理・原則をピラミッド構造で整理した概念図。
最上位の「経営理念」から、「経営ビジョン」「経営戦略」「経営戦術」「経営実行」へと、具体化していく。逆に、現在実行していることからさかのぼり、戦術、戦略、ビジョン、理念と、本質を追求していく。また、ビジョン、戦略、戦術、実行は、物・人・金・情報の領域に分けられる。

3.事業承継(講師:海老沼優文会員)
海老沼講師より、中小企業における事業承継の特徴や事業承継が進まない理由、具体的な方法について詳しくご説明いただきました。
事業承継の方法としては「親族内承継」「従業員承継」「第三者承継(M&A)」の3つの形態がありますが、それぞれに特有の課題があります。また、事業承継の成功には早期の準備が不可欠で、経営者と後継者がいっしょに考えることの大切さをご説明いただきました。
中小企業における事業承継では後継者がみつからないなど多くの課題がありますが、事業承継が進まない理由は、実は経営者の気持ちによるところが大きいという説明が印象的でした。だからこそ、中小企業診断士として、企業を支える役割の重要性を実感しました。

4.診断士の仕事の取り方(講師:吉岡雅樹会員)
吉岡講師より、中小企業診断士としての仕事の取り方についてご説明をいただきました。
中小企業診断士として活躍する場を広げていく機会は、分かりやすい形をしているわけではありません。「あげるサービス」と仕組み作りが重要で「チャンスはチャンスの形をしてない」という説明は印象的でした。講師ご自身が具体的にどのようにして仕事の幅を広げてこられたかを説明していただきながら、お客様に寄り添うことの重要性や、自らの行動によってチャンスを生み出すことの大切さについてお話しいただき、多くの気づきを得ることができました。
グループワークでは、A4用紙を用いた高いタワーの構築を事業と見立てて、チーム間で競う演習を行いました。限られた時間で、役割を明確にして組織を機能させることや、市場環境(他チームの状況)を見ながら勝てる戦略を立てるなど、企業支援で求められることへの気づきとなりました。

5.感想
今回は計5回のうちの最後の課題図書となりました。各受講生とも資料作成・プレゼンテーションともに工夫・改良の成果が見られ、有意義な1年間の受講であったと改めて感じました。「事業承継」、「診断士の仕事の取り方」の講義は、ともに中小企業診断士として必要な視点や意識の持ち方に気づかされる内容でした。今回の受講での学びを、今後の活動に役立てていきたいと思います。
次回(第10回)の予定
日時:2025年3月2日(日)9:15~16:45
会場:浜町区民会館(住所:東京都中央区日本橋浜町3丁目37番1号)
講義内容
1.製造業診断(講師:松井淳支部長)
2.まとめ/成果発表/修了式
(土屋 崇行会員、成田 洋昭会員、友井 唯介会員、木口 孝司会員)