城東支部

学びの場

[2025/06/15]2025年度 城東スキルアップ5月 開講 コース (第2回) 開催報告

2025年6月15日(日)、城東スキルアップ5月開講コースの第2回が、中央区の明石町区民館で開催されました。全受講生29名のうち、都合により欠席された4名を除き25名の方が参加しました。

第2回目のプログラムは以下のとおりです。
1.課題図書「コトラーの戦略的マーケティング」の受講生発表(講師:鈴木康文会員)
2.セミナーコンテンツの作り方(講師:渡辺英史会員)
3.聞き手を惹きつける「話し方&聴き方」のテクニック(講師:一色映里 ストラーダ合同会社 代表社員)

1.課題図書「コトラーの戦略的マーケティング」の受講生発表(講師:鈴木康文会員)

課題図書の第2回目は、フィリップ・コトラー著の「コトラーの戦略的マーケティング」を題材に、受講生全員が課題図書の概要について各自プレゼンテーションを実施しました。受講生は事前に課題図書の全体像をA3サイズ1枚にまとめて資料を共有し、2分30秒で発表しました。事後課題として、資料のまとめ方と発表の仕方について、受講生は他の受講生全員に対してのフィードバックを行いました。事前にまとめた資料は、課題図書の章立てで整理したり、強調したい章に絞り込んだり、自身の経験に照らし合わせて解釈する等、受講生の個性が表われて多様性に富んでいました。発表では、第1回目の課題図書ということもあり、2分30秒をオーバーしてしまう場面もありましたが、聞き手を引き付ける導入や目線の使い方など、発表の仕方についても各受講生の個性が表れていました。最後に、鈴木康文講師からは、課題図書に対するコメントや、A3資料の伝わる書き方など、今後の課題図書の要約につながるポイントについてご講義いただきました。

次回8月の課題図書では、各受講生がまとめた資料や発表の仕方などを参考に、事後課題のフィードバックも活かして課題図書の要約を行い、発表練習を重ねることが大切だと感じました。

2.セミナーコンテンツの作り方(講師:渡辺英史会員)

初めての課題図書発表が終わり、受講生の表情にも安堵感が漂う中、渡辺英史講師に「セミナーコンテンツの作り方」についてご講義いただきました。

城東支部では、毎年葛飾区立の図書館でセミナーを開催しており、城東スキルアップコースの卒業生や受講生が講師を務めています。 本講義の目的は、セミナー講師として登壇するために、①中小企業診断士に求められるセミナーの主旨と業務内容を理解し②ポイントを捉えたセミナーコンテンツを企画できる力を身に付けることです。

わかりやすいセミナーにするための工夫として、スライドの繋がりを意識し、構成は「要点・結論→理由→具体例→まとめ・結論」の順で説明を行うPREP法を活用すること、そして専門用語は使わず、参加者のレベルに応じた言葉を使うことが重要だとアドバイスをいただきました。

中でも印象的だったのは、「参加者に“おみやげ”を持ち帰ってもらう」という視点です。セミナーやプレゼンのコンテンツ作りというと、スライド作成を思い浮かべがちですが、講義では、その前段階であるテーマ設定や企画・構成などの事前準備こそが、全体の8割を占める重要な作業であるという考え方を学びました。そのうえで、参加者のニーズを想定し、課題の解決策を提示するだけでなく、「明日から行動に移せる内容=おみやげ」に仕上げることが最終的なゴールであるという点が、大きな気づきとなりました。

その他、集客力を高めるキャッチーなタイトルのつけ方や前を向いて笑顔でスピーチする方法、スピーチ力向上のコツなども教えていただきました。「スピーチはやればやるほど必ず効果が出るため、練習あるのみ」の言葉の通り、今後も実践を重ねていきたいと思います。

最後に著作権を侵害しないための知識をクイズ形式で確認し、他人の著作物の無許諾複製は決して行わず、オリジナルのコンテンツで勝負することを肝に銘じ、複製する場合は許諾を得る訓練が有効であることも学びました。セミナーの内容もさることながら、渡辺英史講師の穏やかな語り口ながらも強いメッセージが伝わる絶妙な間合いのスピーチに感銘を受けました。

 

3.聞き手を惹きつける「話し方&聴き方」のテクニック(講師:一色映里 ストラーダ合同会社 代表社員)

午後の部では、フリーアナウンサーの一色映里氏を講師としてお迎えし、聞き手を惹きつける「話し方&聴き方」のテクニックについて、実践を交えながらご講義いただきました。

冒頭では、「話し方」の基礎として、声の出し方や滑舌、語尾の使い方など、意識を少し変えるだけで改善が期待できるポイントについてご指導いただきました。具体的には、①腹式呼吸を意識する、②口を大きく開けて話す、③語尾を言い切るまでお腹の力を抜かない、など、実践的なコツを学びました。

続いて、「聴き方」では、話し手の本音を引き出すためのヒアリング手法をご紹介いただき、①明確な目的意識を持つ、②事前準備の重要性を認識する、③主役は話し手である、といった3つの基本姿勢を確認しました。その後は3名1組でグループを組み、「専門家派遣で初めて訪問先した企業の社長と面談する」という想定でロールプレイを実施しました。聞き手・話し手・フィードバック役を交代しながら進めることで、より実践的な学びを得ることができました。

最後に、「スピーチ」の技法として、話の構成、テンポや間の取り方、アイコンタクトなど、相手に伝わる工夫についてご指導いただきました。そのうえで受講生それぞれが事前に準備した「中小企業診断士として、自らの強みをどのように活かし、今後の活動につなげていくか」というテーマでスピーチを発表しました。実際に人前で話す場面では、思うように実践できず苦戦しましたが、早速学びを取り入れて臨んでいる受講生も多くいました。スピーチ終了後には、一色映里講師より受講生一人ひとりに対して丁寧なフィードバックをいただきました。

話す・聴く・伝える力を実践的に学び、中小企業診断士としての対話力・表現力の向上に役立つ有意義な機会となりました。

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4.感想

第2回目全体の講義を通して、いかに聞き手と向き合い、巻き込んでいくかの重要性を強く感じました。特に「セミナーコンテンツのつくり方」では、セミナー登壇にあたって、相手のニーズを想定したうえで事前に準備を進めることの大切さを学びました。今後は、中小企業診断士としてのヒアリングや提案、セミナー登壇などの場面において、相手の関心やニーズを意識することを心がけ、活動していきたいと考えています。

5.次回(第3回)の予定

日時:2025年7月20日(日)9:15~16:45
会場:中央区京橋区民館(東京都中央区京橋2丁目6番7号)
講義内容:
①財務分析の実践(講師:小林雅彦会員)
②地域支援(講師:高田直美会員)
③知的資産経営(講師:上田正史会員)

(三谷正幸会員、高茂禎会員、高橋浩一(入会予定))

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