学びの場
[2025/07/05]2025年度 第2回 城東スキルアップコース(6月開講)開催報告
7月5日(土)、2025年度城東スキルアップコース(6月開講)第2回が佃区民館で開催され、受講生28名中27名が参加しました。
第2回目のプログラムは次のとおりです。
- 課題図書「コトラーの戦略的マーケティング」の受講生発表
- 地域支援
- 知的資産経営
- 課題図書「コトラーの戦略的マーケティング」の受講生発表(講師:鈴木康文会員)
本講義では、受講生が課題図書であるフィリップ・コトラー著「コトラーの戦略的マーケティング」の概要を2分半で発表しました。
2025年度城東スキルアップコース(6月開講)では初めての課題図書発表で、発表前の室内は非常に緊張感があると感じました。集中した空気感の中、各自がまとめた資料と発表に対して耳を傾けました。A3用紙1枚の資料はまとめ方も十人十色であり、各会員の豊富な経験や考え方に触れることができました。
本講義は、多角的な分析による資料作成能力とプレゼン能力の向上に寄与し、将来的に診断業務や補助金申請支援に役立つプログラムだと感じました。
- 地域支援(講師:高田直美会員)
高田直美講師より、東京協会地域支援部にて実施された商店街支援事業や、城東支部地域支援部等で行った活動事例を中心に、地域支援のあり方についてご講義いただきました。
城東支部の地域支援では、寺島なすの復活をテーマにした「たもんじ交流農園」の取り組みなど実例を通して、地元経営者や地方自治体と協業体制を構築することの大切さを解説いただきました。
講義の後半にはグループディスカッションを行い、地域支援のやり方について受講生間で活発な議論が行われました。
地域支援は土日に活動することが多いため、企業内診断士でも携わることが可能であり、特に城東支部は積極的に手を挙げる人には地域支援に携わる機会が多いとお話しいただきました。高田直美講師の講義は全て実践的であり、かつ現在進行形で進んでいるプロジェクトも多くあることを知りました。企業内診断士でも地域支援に携わることができると知りましたので、積極的に手をあげて取り組んでいきます。
- 知的資産経営(講師:細野祐一会員)
細野祐一講師による「知的資産経営」の講義が行われました。今回の講義では、「なぜ知的資産を“見える化”すると経営が良くなるのか」「どうすれば会社が一体となって変革に挑めるのか」「中小企業診断士は企業にどのように寄り添えるか」といったテーマに沿って、知的資産経営の考え方と支援の実際について学びました。
前半は、知的資産の定義とその重要性について説明がありました。知的資産とは、財務諸表に現れない人材、組織力、顧客ネットワークなど、企業の競争力の源泉となる無形資産であり、経営の根幹を支えるものです。これらを「見える化」し、戦略的に活用することが企業変革の鍵になるという考え方が示されました。
特に印象的だったのは、企業の強みを掘り起こすアプローチとして紹介された、「なぜなぜ分析」や沿革の振り返り、価値ストーリーの整理です。ただ単に情報を聞き取るのではなく、診断士としての傾聴力や問いかけ方によって、経営者自身が気づいていない目に見えない会社の強みとなるを引き出す重要性が強調されました。
また、支援ツールとして「ローカルベンチマーク(ロカベン)」と「経営デザインシート」が紹介され、特にロカベンを活用した対話を通じて経営者の意識が変化していく様子が語られました。この「対話による気づき」が、知的資産経営の本質であるという細野祐一講師の言葉が心に残りました。
後半は、実際の知的資産経営報告書を用いたグループワークが行われ、5〜6人の班に分かれて内容を分析・発表しました。発表後には細野祐一講師からの講評があり、
本事例の知的資産経営報告書では、「誰に向けた報告書なのかが不明確」「未来の記述が曖昧」といった具体的なフィードバックがありました。これにより、知的資産経営報告書は単に強みをまとめるだけでなく、「伝える相手を意識し、具体的なまで描く必要がある」ことを学びました。
最後に細野祐一講師より、知的資産経営は目に見えない強みを「見える化」して経営に活かす。そのための傾聴や寄り添いが、現在の診断士に求められる伴走支援であるというお言葉があり、診断士として単なるアドバイザーに留まらず、経営者と共に悩み、考え、未来を描いていく責任の重さを噛みしめる機会となりました。今回の講義を通じて得た学びを、今後の企業支援に活かしていきたいと思います。
- 感想
第2回の講義ということもあり、受講生同士の交流も前回に増してより活発に行われました。特に、知的資産経営の講義でディスカッションを実施した際も一人の意見に同調するのではなく、それぞれが前向きな意見を出し合って、より良い結論を出そうと懸命に取り組んでいるのが印象的でした。このことから、受講生それぞれが初回の講義で学んだ「積極的に取り組むこと」、「診断士目線で考えること」を意識して行動できており、いつまでもこの気持ちを忘れずに取り組もうと思いました。
講義終了後の懇親会では、初めて取り組んだ課題図書について、「このまとめ方はどうやったのか?」や「発表する時に何を意識したのか?」と受講生同士で話し合う場面があり、それぞれが次回以降の課題図書をもっと良くしておこうという姿が多くみられました。
年代や会社での立場を超えて受講生同士が交流できる「横のつながり」はとても貴重な機会であると感じました。このような環境を整えていただいた講師や事務局の方々のご尽力への感謝を忘れずに、次回の講義にも前向きに取り組みます。
- 次回(第3回)予定
日時:2025年8月2日(土)9:15~17:00
会場:浜町区民館(中央区日本橋浜町3-37ー1)
講義内容:
①財務分析の実践(講師:小林雅彦会員)
②セミナーコンテンツの作り方(講師:渡辺英史会員)
③伝わる話し方(講師:ストラーダ合同会社 代表社員 一色映里氏)