城東支部

学びの場

[2025/08/02]2025年度 第3回 城東スキルアップコース(6月開講)開催報告

8月2日(土)、2025年度城東スキルアップコース(6月開講)第3回が浜町区民館で開催され、受講生28名中24名が参加しました。

第3回目のプログラムは次のとおりです。

  1. 財務分析の実践
  2. セミナーコンテンツの作り方
  3. 伝わる話し方
  1. 財務分析の実践(講師:小林雅彦会員)

小林雅彦講師に財務分析に関してご講義いただきました。冒頭では、事前課題として取り組んだ財務分析結果を、グループに分かれて発表しました。私のグループでは、PL(損益計算書)の項目や各種指標を中心に議論が進みましたが、他グループの発表では現預金に着目した課題提起がありました。経営において重要な現預金にフォーカスした分析は、多くの受講生に新たな気づきを与えたのではないかと思います。財務分析は単に指標を計算することではなく、企業の経営課題を見つける手段であるということは大切な学びとなりました。

講義本編では、財務分析を通じた経営支援の具体的な方法を学びました。
私が特に印象に残った学びは以下2点です。

まず、経営者は売上には強い関心を示す一方で、営業利益については十分に意識していない場合があるという点です。実際に、販売管理費を加味せずに価格設定をしている企業もあり、大企業との制度や意識の違いを感じました。営業利益への意識を高めるには、要点を絞ったシンプルなPLを提示し、具体的な目標数値を示すことが効果的だと学びました。

次に、経営者との信頼関係の構築が支援の成果に直結するという点です。どれだけ正確な助言であっても、相手に伝わり理解されなければ、行動にはつながりません。特に、複雑な内容ほど噛み砕いて伝える工夫が求められると感じました。
今後は、対話を通じて経営者自身が課題を認識し、主体的に行動できるような支援を心がけていきたいと思います。 



  1. セミナーコンテンツの作り方(講師:渡辺英史会員)

午前2つ目の講義では、「セミナーコンテンツの作り方」をテーマに、渡辺英史講師にご登壇いただきました。本講義では、セミナー設計の際に押さえるべき7つのポイントを、実際の事例を交えながら分かりやすくご説明いただきました。

冒頭では、セミナー向けの「自己紹介」のあり方について学びました。履歴書とは異なり、セミナーでの自己紹介は「これから話す内容」や「参加者の関心」に合わせて構成することが大切である、というお話が印象的でした。早速、明日以降の本業にも活かしていきたいと思います。

講義の本編では、まず「面白いセミナーとは何か?」を問いかけ、その答えとともに、事前準備の重要性について解説がありました。
続いて、セミナー設計において「参加者ニーズを的確に捉えること」が最も重要である、という点を強調されました。自分のやりたいことや得意なことに目が向きがちですが、参加者の課題に応える内容でなければ行動変容にはつながらない、というご指摘は非常に参考になりました。

さらに、「分かりやすいセミナー」にするためには、「構成」と「言葉遣い」が重要な要素であり、セミナー全体のつながりを意識することが必要であると学びました。
そのほか、参加者への「おみやげ(持ち帰り要素)」の工夫、印象的な「タイトルの付け方」、聞き手を惹きつける「スピーチの仕方」など、実践的なノウハウも多く紹介されました。これらの内容は、セミナー以外にも多くの場所で役に立つと思います。本業でも早速取り入れていきたい考え方でした。

最後に、著作権に関する注意点についても触れられました。中小企業診断士として、オリジナルコンテンツの活用だけでなく、必要に応じて適切な許諾を得る訓練も重要であるというお話からは多くの気づきが得られました。今後すぐにでも実践してみたいと思います。

 

  1. 伝わる話し方(講師:ストラーダ合同会社 代表社員 一色映里氏)

一色映里講師に、伝わる話し方~聞き手を惹きつける「話し方&聴き方」のテクニック~をご講義いただきました。講義は「声のウォーミングアップ」「ヒアリング」「スピーチ」の3つのパートに分かれています。それぞれの内容をご報告します。

はじめに、「声のウォーミングアップ」です。
講義では声を出す姿勢や語尾の扱いなどのテクニック、自宅でできる練習の仕方などをレクチャーいただきました。ポイントをお聞きした後は、発声練習です。第一声を出すタイミングを意識して、腹式呼吸で声を出します。さらに、顔の筋肉を動かして一音一音大事に声を出しました。実際に声を出してみると、思った以上に難しく感じました。継続して練習することで習得していきたいと思います。

次に、本音を引き出す「ヒアリング」について学びました。
ヒアリングには目的があります。目的とは、何のために、何を聴き、どのように活かすかです。特に印象に残ったことは、ヒアリングの主役は答える側であるということです。聴く側は、相手が気持ちよく話せるように進行のサポート役に徹する必要があります。
講義では、聴くための事前準備や聴き方のテクニックを教えていただき、最後に3人チームでグループワークを行いました。グループワークは、聴く側と答える側を交代で体験するものです。答える側の体験では、どのような質問が答えにくいかを知ることができました。今後のヒアリングに活用させていただきます。

続いて、「スピーチ」の講義です。
ストーリー展開や伝え方の工夫、演出テクニックについて学びました。座学の後は、受講生によるスピーチの実践です。「中小企業診断士として自分の強みをどう生かし、今後の活動につなげるか」というテーマで、受講生全員が2分のスピーチを行いました。多くの受講生が原稿を見ずに話をしている姿を見て、自分もしっかり準備して取り組まなければという気持ちになりました。

一色映里講師への質疑応答では、受講生が積極的に質問をしました。
 想定外の質問が来た時の対応やスピーチ用原稿の作り方など実務で活かそうとする熱心な質問が多く時間が足りないくらいでした。

最後に、一色映里講師より「自分のために話すのは素人、聞き手のために話すのがプロ」、というスピーチの極意ともいうべきことを教えていただきました。今回の講義で得た学びを胸に刻み、今後に活かしてまいります。



  1. 感想

第3回の講義で「中小企業診断士の役割は、事業者が自ら問題に気づき、改善策を考え、行動に移す支援をすること」だと学びました。実践するためには事業者との信頼関係構築が不可欠です。信頼関係を構築するために「相手にどのように伝えるか」を今回の講義で教えていただきました。
グループワークでは、一人では気づけなかった視点や考え方に多く触れることができました。今回の講義をとおして、さまざまなバックグラウンドを持った受講生と切磋琢磨できる環境が整っていることを改めて実感しました。
次回は課題図書の発表が予定されています。今回の学びをさっそく実践に活かしたいと思います。

  1. 次回(第4回)予定

日時:2025年9月6日(土)9:1517:00
会場:佃区民館(中央区佃2-17-8)
講義内容:
課題図書「マネジメント 基本と原則」(講師:鈴木康文会員)
②社会貢献事業(講師:宮田昌尚会員)
③人事戦略(講師:木村和広会員)
④外国人人材活用(講師:船橋竜祐会員)

(仲川結会員、竹田みちよ会員、小野内綾音会員)

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