城東支部

学びの場

【2025/11/16】2025年度城東スキルアップ5月開講コース(第7回)開催報告

2025年1116日(日)、城東スキルアップ5月開講コースの第7回が、中央区の京橋区民館で開催されました。

全受講生28名のうち23名が参加しました。

 

第7回目のプログラムは以下のとおりです。

1.金融機関との円滑なコミュニケーション(講師:井上有弘会員)

2.保証協会専門家派遣(講師:重谷亮会員)

3.創業支援(講師:横山由香会員)

 

1.金融機関との円滑なコミュニケーション(講師:井上有弘会員)

 午前中の前半は、井上有弘講師より金融機関との円滑なコミュニケーションについての講義が行われました。

 まず、「中小企業診断士の立ち位置」と「金融機関と中小企業診断士の視点の違い」についてご説明いただきました。経営者は事業や将来に目が向きやすい一方、銀行員は財務数値や過去の実績を重視しがちです。中小企業診断士はその両者のギャップを埋める役割が期待されるとのことでした。

 続いて、金融機関の視点について解説いただきました。具体的には、「融資の原則」「収益構造」「融資審査のポイント」「決算書の着眼点」「資産査定」といった重要な項目を学びました。金融機関が公共性なども求められることから、保守的になりがちであるという構造的な背景を理解しました。収益構造からも、金融機関がリスク回避的になる傾向が強いため、結果として財務や過去の評価に偏り、企業の「定性的な強みや将来性」を十分に評価できない状況が生まれることがわかりました。

 こういった背景を踏まえ、中小企業診断士にできることは、企業の将来性や定性的な強みを言語化して金融機関に伝える等、企業の後方支援であることを学びました。

 後半では、中小企業とも関わりが深い地域金融機関について解説いただきました。銀行と信金・信組の違いや地域金融機関の組織、行動原理等の他、渉外係の方へのインタビューもご紹介いただきました。日々の活動や中小企業診断士についてどう思われているか等は、なかなか聞くことができない内容で、大変参考になりました。

 全体を通して、普段の業務等で金融機関と関わりのない受講生でも、金融機関についての理解が深まる内容でした。

 

2.保証協会専門家派遣(講師:重谷亮会員)

 午前中の後半は、重谷亮講師より、保証協会専門家派遣に関する講義が行われました。
 「保証協会専門家派遣」とは、信用保証協会が中小企業を支援する際に、中小企業診断士等の専門家を企業へ派遣する仕組みで、中小企業診断士が関わることの多い制度です。

 まず、制度の概要として、訪問時間の目安、報酬、依頼の流れ、提供するサポートの種類、支援後の報告書作成について説明があり、全体像をつかむことができました。

 続いて、支援にあたっての注意点やあるべき姿等についてもお話いただきました。また、企業の財務面に加え、強みや課題といった非財務情報を把握するための整理方法についてもご紹介いただきました。資金繰りに悩む企業や売上が伸びず困っている企業が多い現状を踏まえると、財務知識の理解に加えて、企業の強みや経営課題を多面的に捉える力が、中小企業診断士として欠かせないと改めて実感しました。

 後半では題材企業が抱える複数の課題から優先的に取り組むべきものを選び、その解決策と理由を検討するグループワークを行いました。実際にどのような課題があるかを知ることができ、各チームの回答も含めて実践的な学びとなりました。

 質疑応答も活発に行われ、制度についての疑問点や、支援現場での工夫についても紹介がありました。特に、中小企業診断士仲間との情報交換を通じて支援事例を知り、自身の提案の幅を広げていくという点が印象に残りました。

 専門家派遣では、さまざまな企業の課題に向き合いますが、企業は「本物の専門家」を求めています。そのため、派遣に臨む際には、診断の進め方や支援の姿勢、助言の質がより一層問われることを、今回の講義を通じて実感しました。また、他の士業との違いとして、「課題が明確な場合は専門の士業に依頼すればよいが、課題が曖昧なケースこそ中小企業診断士の出番であり、未来を見据えた支援ができる」というお話が印象に残りました。

 

3.創業支援(講師:横山由香会員)

 午後は、横山由香講師より「創業支援」についての講義が行われました。

 講義の前半では、創業を取り巻く環境、創業支援とは何か、創業支援の実際についての解説がありました。近年は政府や自治体の施策により創業しやすい環境が整いつつあり、中小企業診断士が創業支援に関わる機会も増えていることを知りました。また、創業支援は新たに事業を作り出すプロセスを支援するだけでなく、経営できる人、経営者マインドを育成するという側面もあることを学びました。さらに、創業準備のステージに応じた支援を行う必要があること、窓口相談と創業塾という2大チャネル、窓口相談でのよくある質問について学べたことも非常に有用でした。

 後半は、創業計画書の作成、多様化する創業についての解説、創業戦略とビジネスモデルを作るグループワークがありました。創業計画書では、事業コンセプトを具体化し、実行可能かつ収益が見込める計数計画を作ることが重要であると学びました。特に、相談者自身に主体的に考えていただき、寄り添いながら一緒に考えPDCAを回し支援することにやりがい、醍醐味を感じるという講師のお話が印象に残りました。グループワークでは、創業に向けた課題の洗い出し、進め方を検討しました。相談者の夢や想いを大事にしつつ、厳しさも伝える。そのうえで、次のステージに向けた行動を後押しするような助言を行うことの難しさを体験できました。

 中小企業診断士登録から約1年となる私は、これまで「創業塾」という言葉を度々耳にし、多少の関心はあったものの、創業支援の具体的な内容を知りませんでした。創業希望者の前向きな挑戦を支援し、頑張る経営者を創出することに対しやりがいを感じるという講師のお話が印象的でした。また、創業希望者は人生を変える覚悟で相談に来ており、中小企業診断士として相談者の人生を変える自覚を持つ、というお話も心に響きました。今回、創業支援を今後の中小企業診断士としての活動の柱の一つとしていきたいと考えるようになり、私にとって大変意義のある講義となりました。



4.感想

 第7回目の講義では、改めて傾聴の重要性を実感しました。専門家派遣や創業支援でも、相談者の想いや課題、迷いを丁寧に引き出して整理することが、課題解決や創業のステージを前に進めるポイントになると感じました。そのうえで、相談者の状況や想いを踏まえた寄り添った提案ができるかどうかは、今後も経験を積んで磨いていきたいところです。

 こういったスキルは、中小企業診断士の活動だけでなく、企業内診断士である私にとっても、取引先や社内メンバーとのコミュニケーションにも広く活かせる重要なスキルだと感じました。今回の学びを企業内の業務にも活かして取り組みます。

 

5.次回(第8回)の予定

日時:202512月6日(土)9:1516:45

会場:きらきら会館(京島第2集会所)

(東京都墨田区京島3-52-8)

講義内容:

  • 商店街支援(講師:キラキラ橘商店街 事務局長 大和和道氏)
  • 中小企業のIT支援(講師:高仲秀寿会員)
  • Webマーケティング(講師:小川直樹会員)

 

(昆野七重会員、加藤英晴/城南支部会員)

 

 

pagetop

Translate »