学びの場
[2025/12/06]2025年度 第7回 城東スキルアップコース(6月開講)開催報告
12月6日(土)、2025年度城東スキルアップコース(6月開講)第7回がキラキラ会館(京島第2集会所)で開催されました。なお、今回は5月開講コース(第8回)と合同開催され、受講生44名が参加しました。
第7回のプログラムは次のとおりです。
- 商店街支援
- 中小企業のIT支援
- WEBマーケティング
1.商店街支援(講師:向島橘銀座商店街協同組合 事務局長 大和和道氏)
午前中の講義では、向島橘銀座商店街協同組合(商店街の愛称は1985年に公募により「キラキラ橘商店街」と命名)の事務局長である大和和道講師より商店街支援についてご講義いただきました。
本講義では、まず商店街の分類について超広域型、広域型、地域型、近隣型の4つに分かれること、商店街が超広域型を除き減少傾向にあることを学びました。その中で「近隣型商店街」であるキラキラ橘商店街での取り組みを通してこれまでの商店街の歴史と取り組み、今後の商店街のあるべき姿について学ぶことができました。
前半はキラキラ橘商店街が行ってきた実際の施策についてご説明をいただきました。商店街で行う施策を、参加意欲のある店舗に限定して実施することでイベントの質が高まり、イベントを通じて来店ハードルを下げることで、個店の持つ魅力を地域の方々に「知ってもらう」ことにつながるということを学びました。
後半は、これからの商店街についてお話がありました。教育機関との連携、イベント誘致、近隣の観光地を活用した取り組みから商店街を「人が集まる場所」へ転換させることで商店街が「社会的機能」「経済的機能」を持つ地域コミュニティの中心となることを学びました。
最後に商店街は植物のように地域に根ざし、人が集まる場、防災の拠点としての役割を果たしており、中小企業診断士として人が集まる場所として支援することが経営基盤と地域社会の基盤に寄与することを学びました。
2.中小企業のIT支援(講師:高仲秀寿会員)
本講義では、支援先である中小企業の成長につながるIT活用のあり方について、グループワークを交えながら最前線の実態と実務を学ぶことができました。
前半は、新型コロナウイルス感染症の拡大と生成AIの台頭によって大きく変化したビジネス環境について解説がありました。感染症拡大の影響で補助金を活用したデジタル投資が急速に広がり、テレワークの普及も急速に進みました。また近年は生成AIの活用による生産性向上への期待が高まっています。
こうした環境変化を背景に政府はIT活用を国策として推進していますが、現状では売上に占めるIT投資比率が1%未満の中小企業が7割を超えています。その要因にはITを活用できる人材不足に加え、経営者自身の覚悟と推進力の欠如が挙げられます。ここで重要な役割を果たすのが中小企業診断士です。具体的には、公的機関の支援制度の活用提案やIT投資の推進・啓蒙活動、ベンダーとの橋渡しや導入後のフォローなどが期待されます。ITに詳しくない中小企業診断士であっても、必ず対応を迫られる場面があるとの指摘が印象的でした。
後半は、受講生が事前課題で準備してきた事例企業に対して、実際の実務を想定したヒアリング・提案活動のグループワークを実施しました。ITツールは知識が増えると業務改善などの課題解決の手段としてすぐに導入の提案をしたくなるものですが、高仲講師は「ITは課題解決の手段であり、導入そのものが目的ではない」と強調します。IT活用の提案をする際には、まず現状分析によって問題を正しく把握したうえで、経営の目線から課題を設定し、提案内容が「ありたい姿」の実現に貢献するものかを確認することが重要だと学びました。
IT導入はゴールではなく、経営課題の解決こそが真の目的です。この視点を持ちながら、中小企業診断士として現場に寄り添い、ハンズオンで支援するための具体的な方法を学んだ有意義な講義でした。
3.WEBマーケティング(講師:小川直樹会員)
本日最後の「WEBマーケティング」の講義では、小川直樹講師(なんと本スキルアップコース1期生!)から、HP改善による「コンテンツマーケティング」を主軸とした支援手法について、ご講義いただきました。
「コンテンツマーケティング」とは、ターゲットユーザーのニーズに合った価値あるコンテンツをHP上で提供することで、ユーザーとの関係を築くマーケティング手法のことです。この手法を実施するには、コンテンツの作成・改善の方法を習得することはもちろん、前提として、コンテンツのターゲットや自社の提供価値等を定義することが不可欠です。そのため、まず、マーケティングのコンセプトを明確化する上での実践的なポイントを教えていただきました。
続いて、コンテンツマーケティング手法そのものについて、詳しく教えていただきました。WEB上での集客のためには、ターゲットユーザーの検索意図を分析した上でコンテンツを作成し、公開後に効果測定して改善する、という一連のプロセスを踏むことが重要です。小川講師からは、本講義の冒頭、「WEBコンテンツの改善とは一気にはできない、時間のかかるものだ」という旨のご説明がありました。時間をかけて実践すべきことが多いと実感する、盛りだくさんの内容を学べました。
さらに、生成AIを活用したコンテンツ作成方法など、効率化のための工夫やコツもご説明をいただきました。AI活用については、グループワークを通じ、実際の支援現場を意識した実践的なポイントも学ぶことができました。
本講義の最後には、オンライン広告(各種SNS等)の併用方法と、具体的なアクセス分析ツールをご紹介いただきました。
先端的なツールの利用法も含め、豊富にご用意いただいたグループワークを通じて実際に体験しながら学習する、たいへん貴重な機会をいただきました。WEB上での取組みはもちろん、マーケティング全般を支援する場において、ご講義の内容を活かしていきたいと思います。
4.感想
商店街支援では、1店舗1店舗が事業者であり、主体性を尊重する姿勢、イベントへの参加を強制するのではなく自助努力を促すことが活性化につながることを学ぶことができました。
中小企業のIT支援では、必ずしも中小企業診断士にとって高いITスキルは必須ではなく企業が抱える課題を正しく理解したうえで解決へ導くこと、またツール先行ではなく企業が取り組める継続支援を行うことの重要性を学びました。
WEBマーケティングでは、BtoB企業での実際の事例を通してWEB広告を使用してのターゲットへの訴求方法を学ぶことができました。また生成AIの進化により従来のSEOのように検索上位に導く施策だけでなくAIOというAIが高い信頼性を求める特性に合わせ自社コンテンツを生成AI等に引用させるマーケティング手法が必要となることも気付きとなりました。
第7回の講義を通じて、事業者が抱える本質的な課題の把握と限られたリソースの中で課題を解決する有効な手立てを出していく必要性を学ぶことができました。
5.次回(第8回)予定
日時:2026年1月10日(土)9:15~17:00
会場:江東区砂町文化センター(江東区北砂5丁目1−7)
講義内容:
①金融機関との円滑なコミュニケーション(講師:井上有弘会員)
②保証協会専門家派遣(講師:重谷亮渉外部長)
③創業支援(講師:横山由香会員)
(原田颯樹会員、加藤智彦会員、村山世志彦会員)



