城東支部

学びの場

[2026/01/10]2025年度 第8回 城東スキルアップコース(6月開講)開催報告

2026年1月10日(土)、2025年度城東スキルアップコース(6月開講)第8回が砂町文化センターで開催され、受講生28名中21名が参加しました。

 第8回のプログラムは次のとおりです。

  1. 金融機関との円滑なコミュニケーション
  2. 保証協会専門家派遣
  3. 創業支援

  1.金融機関との円滑なコミュニケーション(講師:井上有弘会員)

 井上有弘講師より「金融機関との円滑なコミュニケーション」についてご講義いただきました。

 まず、経営者と金融機関の視点の違い、具体的には「事業・将来を語る」経営者と、「過去の結果である財務諸表を見る」金融機関との視点の違いをご説明いただきました。この視点のギャップを埋めるのが中小企業診断士の役割だとご説明いただきました。

 また、融資においては、金融機関は融資した資金が回収できないことを最も恐れること、融資審査においては「資金使途、返済財源、保全(担保・保証)」がポイントであることを学びました。

 このように役割や融資審査のポイントを学びましたが、中小企業診断士が金融機関と話をするのではなく、あくまで中小企業診断士は中小企業に寄り添う支援者であり、金融機関は経営者と話がしたいのだという点にはハッと気付かされました。

 後半では、城東地区の地域金融機関の規模や金融機関の行動原理に加え、信用金庫勤務の方々の生の声についても教えていただきました。この生の声で非常に印象に残った言葉が「財務については中小企業診断士が経営者の通訳となってほしい。」というものでした。

 以前大流行したテレビドラマでも、経営者が一生懸命事業の説明をしているにも関わらず、金融機関が融資について首を縦に振らないというシーンがありました。我々中小企業診断士に求められるコミュニケーションとは、経営者と金融機関の間に、まさに通訳として立ち、両者の架け橋となる支援をすることだと感じました。

 

  1. 保証協会専門家派遣(講師:重谷亮会員)

 重谷亮講師より「専門家派遣 東京都信用保証協会の事例」をご説明いただきました。

 「専門家派遣」という言葉はよく聞くものの、私自身どのようなものかよく理解できておらず、非常に興味を持ちお聞きしました。

 まず、東京都信用保証協会における専門家派遣について、制度の概要をご説明いただきました。この制度は「信用保証を利用している中小企業に対し様々な課題解決をサポートするため、専門家を派遣する制度」であり、中小企業は原則無料で利用できます。

 またサポート内容は、中小企業の経営改善のポイントを探るコーディネートサポートから始まり、分野を絞って支援するピンポイントサポート、経営改善計画等を支援するトータルサポートがあります。原則無料ということを知り驚くと共に、相談したい分野に絞りサポートを受けることもできるため、ぜひ多くの中小企業の皆さまにご利用いただければ、と感じました。

 
 続いて、実際の支援における留意点とあるべき姿をご説明いただきました。初めての訪問では、中小企業の話をお聞きすることに注力することや謙虚で丁寧な対応、傾聴を心がけ、中小企業の状況に合わせた支援後の指針をお示しすることなどを学びました。

 後半では、実際の事例をベースにグループワークで理解を深めました。その中で興味深かったのは、事前に伺っていた支援課題と実際に伺った状況を踏まえた上での課題・解決策が異なるグループが多いという点でした。重谷亮講師からも「最初から課題が分かっている企業は多くはなく、そこを整理・支援させていただく」とのご説明がありました。

 専門家派遣は中小企業の課題解決が目的ではあるものの、大事なのは「よく話をお聞きする」ことだと実感しました。

 

  1. 創業支援(講師:横山由香会員)

 横山由香講師より「創業支援のいろは~がんばる経営者の創出支援~」についてご講義いただきました。

 本講義では、創業を取り巻く環境に始まり、創業支援の実際など中小企業診断士として創業希望者をどのように支援していくかを体系的にお話いただきました。

 前半では創業を取り巻く環境について、起業・創業はキャリアの選択肢の1つになっており、政府による起業・副業を後押しする法整備などによって、若者や女性の起業者数は増加傾向にあることを学びました。また、葛飾区、江東区では近年創業塾の実施回数を増加させており自治体の創業支援の取組みを拡大している例をご紹介いただき、中小企業診断士の創業支援における活躍フィールドがますます拡がっていると感じました。

後半では、中小企業診断士が具体的にどのように創業希望者を支援していけばよいかご講義いただきました。

中小企業診断士が携わる創業支援は公的機関が行う創業塾と窓口相談の2つが中心であり、創業希望者の業種やビジネスモデルは多岐にわたりますが、支援側(中小企業診断士)は支援するジャンルを選べません。そのため、創業希望者の属性や創業準備ステージ(創業イメージがまだ漠然としている段階、創業内容が具体化している段階、実際に行動に移している段階など)に合わせた支援を行うことで重要です。創業希望者に合わせた支援には、コミュニケーションスキル(創業希望者の夢を壊さず、でも厳しさを伝える)やビジネスモデルを分かりやすく伝えるスキルなど中小企業診断士としての総合力が求められることを学びました。

講義の最後には、講師が実際に行った創業支援をお題に、課題を明確にして、創業戦略とビジネスモデルを考えるワークをチームに分かれて行いました。

このワークでは、講義で学んだ事業コンセプトを明確にするため、誰に(WHO)、何を(WHAT)、どのように(HOW)の観点から考え、どのようにマネタイズを行っていくかなどのディスカッションを行いました。ワークを行っていく中で、様々な課題に対して優先順位をどのようにつけていくか、どのように提案を行うのかの難しさを感じましたが、同時に創業希望者の夢の実現に携われるやりがいも大きいと感じました。

今回の講義で、創業支援は相手の人生を変える可能性があり責任が大きいが、がんばる経営者を一人でも多く創出できるやりがいも大きい仕事でもあると学びました。中小企業診断士として、創業希望者から選ばれるように総合力を高めることを意識して日々の活動に取り組んでいきます。

 

  1. 感想

今回の講義では、中小企業診断士として、金融機関や信用保証協会を利用する中小企業、創業希望者とどのような心構えを持って接すればよいかを学びました。特にアクティブリスニング(傾聴)によって相手のニーズや考えを明確に捉え、相手の課題や問いかけに対して分かりやすく伝えることが重要であると感じました。本コースも残り2回となりました。本コースの目的である「使える診断士」になれるように積極的に取り組んでいきます。

 

  1. 次回(第9回)予定

日時:2025年2月7日(土)9:15~16:45

会場:佃区民館(1+2号洋室)(中央区佃2丁目17-18)

講義内容:

課題図書「マッキンゼー経営の本質」

②事業承継(講師:海老沼優文会員)

③診断士の仕事の取り方(講師:吉岡雅樹会員)

 

(中塚博基会員、小島正嗣会員)

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