城東支部

学びの場

2024年度 第8回城東スキルアップコース(8月開講)開催報告

3月16日(日)、2024年度城東スキルアップコース(8月開講)の最終回となる第8回目が明石町区民館にて開催されました。全受講生24名のうち、22名が参加しました。

第8回目のプログラムは次のとおりです。

1. 課題図書「マッキンゼー 経営の本質」の受講生発表(講師:鈴木康文会員)

2. 課題図書に関するグループワーク(講師:鈴木康文会員)

3. 診断士の仕事の取り方(講師:吉岡雅樹会員)

4. まとめ/成果発表/修了式

1.課題図書「マッキンゼー 経営の本質」の受講生発表(講師:鈴木康文会員)

課題図書の最終回として、「マッキンゼー 経営の本質」(M・バウワー著)をテーマに、受講生全員が3分間のプレゼンテーションを行いました。

今回で5回目となる課題図書の要約資料作成とプレゼンテーションの取り組みですが、回を重ねるごとに、受講生の資料やプレゼンがより分かりやすく、より面白く進化したと感じられました。他の受講生や講師からのフィードバックを基に、新しい資料構成にチャレンジしたり、より聞き手に訴えかけるような目線の使い方や声の抑揚を意識したりと向上心を持ちながら取り組む姿が見られました。

一連の課題図書を通して、経営理論の名著をインプットするのみならず、時に難解でもある書籍の内容を再構成・要約し、読み手に分かりやすい内容に落としていくドキュメンテーションスキルを磨くことができました。また自信をもち、ユーモアも交えて語りかけるためのプレゼンテーションスキルも研鑽することができました。

 

2.課題図書に関するグループワーク(講師:鈴木康文会員)

受講生発表後には、今年度の課題図書5冊の内容を振り返るとともに、次に読みたい経営理論関連の書籍についてグループワークを通して議論、全体での発表を行いました。

振り返りの議論では、各課題図書の概要を振り返るだけでなく、それらの内容について大石正明東京協会副会長が提唱する「大石ピラミッド(注釈)」のどの分野に該当するかを議論しました。同じ書籍であっても、各受講生がそれぞれ印象に残っている内容が異なり、また「大石ピラミッド」のどの部分に該当するかといったテーマでも議論が活発になされました。今回の課題図書である「マッキンゼー 経営の本質」はピラミッドの全体をカバーする内容であったと発表する受講生が多く、まさに最後の課題図書にふさわしい内容であったいう感想が多く聞かれました。

次に読みたい経営理論関連の書籍では、受講生が推薦する図書とその理由が発表されました。所属する業界や経験領域に絡む書籍や、経営理論をより広く又は深く理解するための書籍、中小企業の業績のV字回復の実例を扱った書籍等々多岐にわたる21冊の書籍が紹介されました。受講生からは今回の活動を通じて読書を習慣化したいといった声も多く、推薦された書籍のメモをとる姿が目立ちました。

 

(注釈)大石ピラミッドは、経営の原理・原則をピラミッド構造で整理した概念図。

ピラミッド最上部の「経営理念」から、「経営ビジョン」「経営戦略」「経営戦術」「経営実行」へと下部に向けて企業経営の活動が具現化されている。また、横軸は経営資源の種別として「物(顧客・市場)」「人(組織)」「金(経営計数)」「情報」の領域に分かれている。

 

 

3. 診断士の仕事の取り方(講師:吉岡雅樹会員)

午後は多くの受講生が最も気になっている中小企業診断士の仕事の取り方について、吉岡雅樹講師から講義いただきました。はじめに事前に受講生から集めたアンケートの紹介がなされ、その中で重要な質問に対して吉岡雅樹講師から回答がありました。

続いて、実際の仕事の取り方として、チャンスはチャンスの形をしていないことから、チャンスを形にするための売れる仕組づくり「お客様に認知してもらう」が必要であり、『あげるサービス』・『売れるサービス』・『売りたいサービス』に分ける考え方を学びました。受講生自身が関わっている仕事について、このフレームワークに沿って考えるとどのような仕組みになるのかを四人一組になって議論をしました。後半は『あげるサービス』についてより具体的に考える内容をお話しいただきました。サービスを受ける中小企業の社長が求めている「3J」として①実情の分析をしてくれる人 ②情報を提供してくれて、実際に行動してくれる人 ③実現可能な抜本的な計画の策定支援をしてくれる人について学びました。それぞれについて、童話を使ったたとえ話、東京都や厚労省が作成しているホームページの内容と使い方の紹介を、グループワークを通じて学びました。

最後に、お客様がお客様を紹介してくれる仕組みをどのように作るかについて、吉岡雅樹講師自身の実践例を交えながら解説していただきました。具体的な活動の紹介があったため、多くの受講生が熱心にメモを取りながら話を聞いていました。実際の経験に基づいた内容が多く含まれていたため、受講生にとって非常に有益な学びの機会となりました。

 

4.まとめ/成果発表/修了式

8か月間、全8回にわたる城東スキルアップコースも、いよいよ最後のカリキュラムを迎えました。

成果発表のプレゼンでは、一人2分30秒の持ち時間で発表が行われ、受講生一人ひとりが活き活きとした姿で登壇しました。受講生たちは、これまでの課題図書や講義内容を振り返り、それぞれの学びを再確認しながら、今後のアクションプランについて発表しました。アクションプランの発表では、「自分の得意分野を確立する」「副業の許可を得る」「開業する」「独立する」「新たな学びの場へ進む」など、受講生ごとに多様な目標が示されました。それぞれがスキルアップ研修を通じて得た学びを、自身のキャリアや活動の糧とし、今後の道を切り拓いていく強い意志を感じられる内容でした。

また、スキルアップ研修で培った知識や経験をもとに、これからの中小企業診断士活動について熱意を持って語る姿からは、研修を通じて得た成長と自信が伝わり、今後のさらなる活躍が期待される発表となりました。

成果発表の後、松井支部長より受講生一人一人に修了証書が手渡されました。ようやく修了証書が受け取れたことに達成感と安堵感があり、場内に笑顔が溢れました。

最後に、入山能力開発推進部長より、「スキルアップコースは、1年目の中小企業診断士として最低限知っておくべき内容を分野ごとにまとめたカリキュラムであり、ここからさらに知識やスキルを磨いていくことが大切」との激励の言葉をいただきました。また、「活躍できる中小企業診断士になってほしい」との想いを込めたメッセージが送られ、受講生たちは新たな一歩を踏み出す決意を胸に、修了式を終えました。

 

5.感想

8か月間にわたる城東スキルアップコースも無事に終了しました。まずは支えてくださったスキルアップコース事務局の皆さまに、心より感謝申し上げます。円滑な運営と温かいサポートのおかげで、充実した学びの場を提供していただきました。また、共に学んだ受講メンバーとの出会いも、城東スキルアップコースを通じて得た大きな財産です。異なるバックグラウンドを持つ仲間と切磋琢磨しながら学び合えたことは、今後の中小企業診断士活動においても大きな力となると思います。以上、本当にありがとうございました。

 

(冨永 雄大会員、井部 雅章会員、久保 知史会員)

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