城東支部

学びの場

[2024/09/07]2024年度第4回城東スキルアップコース開催報告

9月7日(土)、2024年度城東スキルアップコースの第4回目が佃区民館にて開催され、30名の受講生中、26名が参加しました。

第4回目のプログラムは次のとおりです。
 1. 課題図書 「コトラーの戦略的マーケティング」(講師:鈴木康文会員)
 2. 地域支援(講師:高田直美会員)
 3. 人事戦略(講師:木村和広会員)
 4. 外国人人材活用(講師:増田憲二会員)

1.課題図書 「コトラーの戦略的マーケティング」(講師:鈴木康文会員)

 2回目の課題図書として、「コトラーの戦略的マーケティング(著者:フィリップコトラー、訳:木村達也)」を題材に、プレゼンテーションを行いました。受講生が2つのグループに分かれ、各自3分間でプレゼンテーションを行った後、グループごとに感想を取り纏めました。
 その後、受講生全員での講義に移り、互いのグループで出た感想を共有した後、鈴木講師の講評を拝聴しました。
 受講生は第3回の一色映里氏の講義で学んだ話し方やテクニックを取り入れており、一層スピーチのレベルが上がったとする意見が出ました。その他にもプレゼンテーションにおける発表資料の目的を定めておくことが重要であるとする意見等が印象的でした。

2.地域支援(講師:高田直美会員)

 城東支部の前地域支援部長でもある高田講師より、これまでの地域支援を中心とした診断士活動から、様々な事例をお話しいただきました。

 墨田区の事例として、城東支部の中小企業診断士で連携して継続的に商店街のイベント支援を行い、商店街の一体感醸成に貢献できたというお話から、継続活動に対する重要性を認識しました。「寺島なす」の事例では、生産者と利用者を繋げ、ブランディングを推進したというお話から、人を繋げて一体感を生み出すことの重要性を理解しました。
 続く、南伊豆の事例では、SNSを通じた支援の在り方について紹介いただきました。中小企業診断士自身が居所に関係なく支援活動に関与できるという側面だけではなく、地域の方々や行政と一丸となって情報発信を行った事例から、地域の協力やファンを増やすことの重要性を認識しました。
 浜松の事例では、地域資源の利活用や新規の販売促進策の提案・実現や将来的な人の流れを予想した施策を行うことで、地域全体の活性化に繋げることができたとのお話があり、中小企業診断士として持つべき視点や知見の活用について意識することができました。

 講義の最後には、「『地域支援』で、中小企業診断士がどのような貢献ができるのか」というテーマでグループディスカッションを行いました。イベントやお祭り等への参加を通じ、企業同士のマッチングや採用支援に繋げることができるのではないか等の意見が出されました。
 今回の講義を通じ、人の繋がりの重要性や、継続的な活動の重要性について認識を深めたほか、中小企業診断士としての可能性を改めて意識することができました。

3.人事戦略(講師:木村和広会員)

 午後の講義は木村講師による人事戦略の講義から始まりました。本講義は人事戦略のインタビューやアドバイスを行うにあたって、事前に人事の論理的知識体系を理解していることが必要である点をお話いただきました。

 まず、人事戦略における中小企業診断士の活動領域等について解説いただきました。
 一般的に、人事の専門家としては社会保険労務士のイメージが強いものの、その多くは社会保険手続や給与計算等を専門領域としており、事業承継、採用等の領域では中小企業診断士に活躍の場があるとのことでした。
 次に、人事戦略の重要性について解説いただきました。
 人的資源は、人的資源の力量=「人数」×「能力」×「意欲」で表され、モノやカネに比べて変動要素が多いです。そのため、人事課題を診断する際には採用、在籍、退職別等対象を様々な切り口で細分化し分析することが重要であると学びました。
 講義の最後では、ケース企業にどのような人事コンサルティングを提案するかグループディスカッションを実施しました。
 発表では、ヒトの問題と組織の対応策を切り分けた提案等が出されました。
 発表後、講師からは、中小企業から人事について相談が来た際には、本講義で学んだことを活用してほしいというメッセージをいただきました。
 企業の経営資源の一つである、ヒトの分野は経営と切っても切れない関係です。今回の講義を通して、人材戦略に関する相談に対応できるように準備をしようと思いました。

4. 外国人材活用(講師:増田憲二会員)

 「外国人材のチカラを活かして、ニッポンを元気に!!」という熱いミッションを持ち、中小企業のグローバル化支援をされている増田講師に、外国人材活用について講演を行っていただきました。冒頭、日本の将来推計人口の図から、日本は少子高齢化社会から人口減少社会に突入したため、総人口は今後10年ごとに約700900万人が確実に減少するというお話を伺いました。国内マーケットの継続的な縮小が顕著になるため、企業は生き残りをかけて海外マーケット開拓を始め、人材と市場のグローバル化が必須である点についてお話いただきました。

 Part1では、中小企業の生き残り策としてのグローバル化戦略と、その担い手であるグローバル人材の確保が必要である理由をご説明いただきました。言葉と文化習慣の違いを熟知している優秀な外国人留学生を採用・育成し、母国とのブリッジ人材として活用することで、将来的な現地パートナーとして育成していくことの必要性を解説いただきました。
 Part2では、在留資格について説明いただきました。在留資格の種類が「活動系」と「身分系」の2種類に大きく分かれていると解説いただくことで、在留資格者ができること、できないことを理解することができました。
 Part3では、外国人材を活用するための課題と留意点を説明いただきました。
 初めに、外国人材採用が進まない問題についてご説明いただきました。また、転職人材と新卒人材とでは転職・就職の際に希望年収や就職先の選択基準が大きく異なり、それを踏まえて採用を行うことが大切であると学びました。
 今回学んだ外国人材の活用に関する知識を生かすことで、日本人との違いを認識しつつも適切な人材を採用できるように、支援を行えるようにしたいと思います。

5.感想

 今回の講義では、地域支援、人事戦略、外国人材活用といった点について学びました。
 中小企業診断士の担当領域の広さを改めて感じ、今後、中小企業診断士として活動する際には、自分の専門領域の深化と並行して、様々な分野の基本知識を学ぶ必要があると感じました。

6.次回(第5回)の予定

日時:202410月5日(土)9:1516:45
会場:中央区 月島区民館(東京都中央区月島2丁目8番11号)
講義内容
 1. 事業継続計画(BCP)/講師:長島孝善会員
 2. 資金繰りと管理会計、収支計画の作成/講師:本田一也会員


 (森浩大会員、井田光俊会員、神山英輝会員)

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