学びの場
[2025/02/16]2024年度 第7回城東スキルアップコース(8月開講)開催報告
2月16日(日)、城東スキルアップコースの第7回目が中央区明石町区民館で開催されました。全受講生24名のうち、19名が参加しました。
第7回目のプログラムは次のとおりです。
1.課題図書「マネジメント基本と原則」の受講生発表(講師:鈴木康文会員)
2.城東支部 社会貢献事業(講師:宮田昌尚会員)
3.公的支援制度活用と補助金申請支援(講師:菊地和志会員)
1.課題図書「マネジメント基本と原則」の受講生発表(講師:鈴木康文会員)
課題図書の4回目は、P.F.ドラッカー著の「マネジメント基本と原則」を題材に各自プレゼンテーションを実施しました。事前に受講生が作成したA3サイズ1枚の発表資料をもとに、各自3分で発表しました。また、全員の発表が終わった後、本書の趣旨や作成資料の構成、発表の仕方から得られた気付きを中心に、2グループに分かれ30分ほどディスカッションを行いました。最後に鈴木康文講師の講評と課題図書の解説をいただきました。
具体的には、昨今世間を賑わせている企業の不祥事事案や企業合併案件を話題として取り上げ、本書の主要なテーマであるマネジメントに必要な「真摯さ」の重要性を共有しました。併せて、本書から得られた学びをもとに、各自が中小企業を支援するにあたっての心構えについて、「組織の力学」や「企業ガバナンスの必要性」の観点で、意見交換をしました。
受講生も経験を重ね、それぞれの個性を活かした資料の構成や発表方法に工夫が見られました。3分間資料をもとに事前提出資料を見ることなく説明を完遂する受講生や、自身の経験やスキルをもとに独自の見解を発表される受講生など、個性豊かなプレゼンテーションが多く、顕著なスキルアップが見受けられました。
2.城東支部 社会貢献事業(講師:宮田昌尚会員)
宮田昌尚講師 より、城東支部の社会貢献事業について、講義を行っていただきました。まず、事前にお送りした質問に関するご回答をいただいた後、城東支部の社会貢献事業の沿革と実績及び今後の展望を中心にお話いただきました。
講義では特に以下の3点が学びになりました。
(1)城東支部は以前より、社会貢献事業に積極的に力を入れて活動していること
(2)バリューチェーンの中に位置づけられる中小企業に対して、SDGs対応を軸に環境負荷軽減のための各種取り組みを展開していること
(3)東京協会からも、各支部の社会貢献事業の支援をいただいていることや、それ以外に災害復興、グローバル化、起業支援等の支援 も行っていること
中小企業診断士の社会貢献活動自体が今後ビジネスチャンスになるということのみならず、中小企業診断士の社会的プレゼンスを高める大きな機会になるという気付きも得ることができました。
3.公的支援制度活用と補助金申請支援(講師:菊地和志会員)
午後は、菊地和志講師より、公的支援制度活用と補助金申請支援の講義を行っていただきました。本講義は、いわゆる公的支援業務の受託スキームと、その中でも幅広く関わることになる補助金・助成金事業の概要と申請のポイントについて、グループワークによる実践を行う内容でした。
主な構成は、(1)公的支援制度の概要と支援機関との関わり方についての講義、(2)補助金・助成金事業の概要と申請支援の進め方についての講義、(3)事例企業を用いた小規模事業者持続化補助金の補助金申請支援のグループワークでした。
講義ではまず、公的支援制度のスキームや種類について紹介されたのち、その中でも中心となる、「経営相談」「専門家派遣」「補助金・助成金」の3つの詳細について紹介されました。これらに関する仕事の探し方や応募方法については、診断士活動を始めたばかりの受講生にとって大変関心のある内容でした。
次に、補助金申請支援のスキームや種類について講義、ならびに補助金申請の支援開始から採択までの流れや、申請資料に記載する申請企業の現状分析・補助事業の内容・補助事業による申請企業の今後のプランまでの申請ストーリーの骨子について紹介されました。講義の中で紹介された、データ収集に活用するJ-STAT MAPやRESAS総務省家計調査年報について、実際に使って活用方法を学ぼうと宣言する受講生のコメントが多く、関心が高かったようです。また、採択されるために重要なポイントとして、「審査員が読む場所をわかりやすくするように見出しを設定する」「公募要領に記載されている審査ポイントを意識する」ことを中心に、申請書を作成する際の重要なテクニックについてご紹介いただきました。
最後に、補助金申請支援のグループワークとして、菊地和志講師が実際に支援された企業の与件文をもとに、小規模事業者持続化補助金の申請ストーリーの作成に取り組みました。4〜5名のグループに分かれての意見交換や事前課題として作成した各自のストーリーを話し合いました。1つのストーリーにまとめ上げる作業は、今回のワークで学んだことは、受講生各自の補助金申請支援業務の実務の際に、必ず活かされる有意義なものでありました。
4.感想
課題図書のまとめ方・発表について、各受講生の工夫が見られ、受講生同士が学びあい、参考にする部分があると感じました。また、菊地和志講師の補助金申請支援に関するポイントについて、補助金の審査業務を経験した際にも重要だと感じた部分が多く、大いに参考となる内容でした。
次回、本コースの集大成となる研修に向けて、万全の体制で臨みたいと思います。
5.8月コース次回(第8回)の予定
日時:2025年3月16日(日)9:15~17:00
会場:中央区明石町区民館(東京都中央区明石町14番2号)
講義内容:
1.課題図書「マッキンゼー経営の本質」の受講生発表(講師:鈴木康文会員)
2.課題図書グループワーク(講師:鈴木康文会員)
3.診断士の仕事の取り方(講師:吉岡雅樹会員)
4.まとめ/成果発表/修了式
(須藤翔太会員、布施健太郎会員、山本尚幸会員)