実務の場
[2025/02/11]葛飾区立中央図書館ビジネス連携セミナー「伝える力」で仕事が進む!現役デザイナー兼診断士が教える、ビジネス向けデザイン思考開催報告
2025年2月11日(火)、葛飾区立中央図書館ビジネス連携セミナー『「伝える力」で仕事が進む!現役デザイナー兼診断士が教える、ビジネス向けデザイン思考』が開催されました。講師は、大手電機メーカーでデザイナーとして勤務しながら中小企業診断士としても活動する久木茉優子会員です。今年度は立石図書館でのリアルセミナーが2回、中央図書館でのオンライン/リアルハイブリッドセミナーが4回予定されており、今回のセミナーは中央図書館での第2弾です。

◼️セミナー概要
本セミナーでは、実際に「デザイン思考」を体験しながら、ビジネスに活用できる手法を学びました。構成は以下の4つの章で進行しました。
(1)デザイン思考とは
(2)3つのデザイン思考
(3)デザイン経営について
(4)まとめ/おすすめ図書の紹介
当日はリアル参加者22名、オンライン参加者20名が集まり、幅広い年代の方にご参加いただきました。

(1)デザイン思考とは
まず、「デザイン思考」とはどういったものなのかを解説しました。現代において「デザイン」は、単に色や形を考えることだけでなく、あらゆるモノやコトを人中心に考えることで問題解決や価値創造を設計するという意味で用いられます。デザイン思考とは、このようなデザイナーの思考方法を活用することを指します。競争が激化する社会の中で、顧客のニーズを捉えて競合と差別化できる価値の創造が不可欠になり、あらゆる企業にとってデザイン思考が重要になってきました。
(2)3つのデザイン思考
次に、ビジネスにおけるデザイン思考の具体的な活用方法を3つ紹介しました。
①情報の可視化と共有
「グラフィックレコーディング」という、会話の内容を絵や文字でリアルタイムに可視化する手法を解説しました。参加者は実際に絵を描くワークを体験しました。絵を書くことに慣れていなくても実践できる工夫がされており、会話の情報をグラフィックで可視化することで要点が整理されていく過程を体験することができました。
②顧客価値の具体化と試作
「ペルソナ」と「カスタマージャーニー」を活用し、顧客の行動や価値観を具体的に設定する手法を紹介しました。「ダーティプロトタイプ・ロールプレイ」を用いた試作と検証の手法も説明しました。
③目的の明確化と表現
「どんなターゲット」に「どう行動してほしいか」など目的を明確にする4つの観点と、それを直感的に表現するための基本になるデザインの4原則を説明しました。
(3)デザイン経営について
デザイン経営とは、「企業価値を向上させるために、デザインを重要な経営資源として活用すること」を指します。デザイン経営の効果や実践プロセスについて解説し、参加者自身の仕事へどのようにデザインを取り入れるのが効果的か検討するワークを行いました。
(4)おわりに
最後にセミナーのまとめと関連する書籍の紹介、質疑応答が行われました。デザインをビジネスの場で活用することについて多くの質問が寄せられ、終了後も講師へ個別に相談をする参加者の姿が見られました。
今回のセミナーは、体験型のワークが数多く取り入れられ、参加者の理解を深める工夫が施されていました。また、久木講師が作成したプレゼン資料は視覚的にも分かりやすく、デザインの力を実感できる内容でした。

本セミナーの内容は、城東支部のYouTubeチャンネルで配信中です。ご興味のある方はぜひご覧ください。
<https://www.youtube.com/channel/UC02aQ5x96w0Qm5ZE-PRp1Lg/videos>
(生見仁 会員)