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[2023/10/3]城東支部社会貢献事業「墨田区SDGsセミナー」第3回実施報告
秋の気配が感じられる10月3日(火)午後6時から、第3回墨田区SDGsセミナー『危機を乗り越える強くしなやかな「人と経営」とは~レジリエンス経営を考える』が開催されました。講師は城東支部社会貢献事業「レジリエンス経営」チームの渡辺英史会員と芹生一史会員。また同チームの山崎健二郎会員がファシリテーターとして参加しました。
「墨田区SDGsセミナー」は、「墨田区SDGs宣言」を行っている区内の事業者・団体(9月末現在、約300者)を対象に、墨田区産業振興課が全5回のシリーズ構成で主催するものです。各回の企画立案や当日の講師、参加者募集チラシの作成など、城東支部社会貢献事業が運営協力を行います。墨田区役所の高層階にある眺望のすばらしい会議室にて、毎回30名を定員として開催しています。
前半は座学です。まず渡辺会員が、「レジリエンス」とは弾力性や強靭性を意味し、SDGsの原典「2030アジェンダ」でも頻出の語であることを説明しました。さらに、昨今のような新型コロナやウクライナ侵攻など予測不能の事態が次々と起こる時代の中で、危機に対応しそれを機会とするための経営メソッドすなわちレジリエンス経営について、コトラーの書籍を引用しながら解説しました。続いて芹生会員が、さまざまな危機からの回復を果たした中小企業の事例を5件ほど、詳細に報告しました。いずれもレジリエンス経営チームの1年以上にわたる研究の成果です。
後半はワークショップです。参加者が3グループに分かれ、まず、重大な危機を乗り越えたある中小企業の社長インタビューを読み、レジリエンスのポイントとなる部分を抽出しました。続いて自分の会社がそのようなことを行えるようになるにはどうすればよいかについて、グループで議論しました。各グループには山崎会員ほか城東支部の会員がファシリテーターとして付き添い、議論が円滑に行われるようサポートしました。
最後に再び渡辺会員が、危機を管理する経営メソッドとは決して特別なものではなく、人的資本重視のオーソドックスな経営理論に基づいたものであることを、2021年版中小企業白書のデータを交えながら解説しました。
参加者の事後アンケートでは、講義もワークショップも満足したという回答が多く、「レジリエンスの意味が再確認できた」「事例が豊富で理解しやすかった」という声が寄せられました。研究チームは墨田区からの要望でもあった「SDGsと人的資本経営」を結び付けるストーリー作りに苦労しましたが、報われる結果になったと言えそうです。
第4回は2024年1月に「サーキュラー・エコノミーの実践」、第5回は3月に「SDGsと政策」をテーマに開催されます。我々プロジェクトメンバーは、さまざまな切り口からSDGsを取り上げ、参加事業者・団体の皆さんの「SDGs宣言」の実践に少しでも役立てるよう、さらに邁進していきたいと思います。
(渡辺英史 会員)