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[2023/06/30]国際部コラム ギリシャ

東京都東部は日本の中でも外国人居住者が多い地域です。国際部より外国の文化や仕事に役立つ情報を紹介します。最初に2007年より駐在勤務したことのあるギリシャについて紹介します。「素晴らしい海の恵みと古代文明発祥の地」として観光人気の高いギリシャは南欧の小国でありながら、古代文明やギリシャ神話に哲学、オリンピックやマラソン発祥の地など、現代に通じる文化の起源として独特の個性がある国です。青く澄み渡ったエーゲ海や白い家のある島々は息をのむほどの美しさでした。

 観光地として人気が高いギリシャでしたが、生活面は日本食が手に入りにくい、英語が通じにくいなど、不自由なことが多くありました。さらに冬以外は強い日差しが続くことが多く、現在ではあまり習慣が残っていないシエスタ(昼寝を含む長時間の昼休憩)を取り入れて仕事をしたほうがよいと実感しました。

(1)基本情報、日本との関係
ギリシャは地理的にはヨーロッパの南東、バルカン半島最南端部に位置し、北は西からアルバニア、マケドニア共和国、ブルガリア、東はトルコと国境を接し、東はエーゲ海、西はイオニア海、南は地中海に囲まれ、約3000の島により構成されています。

 ローマ帝国などに400年間侵略され続けた歴史から、近隣諸国に未だにある種の嫌悪感を抱いている人もいるようでしたが、日本に対する感情は概して良いという印象を受けました。

 日本とギリシャの正式な交流は、八雲が日本で生活していた時代、1899(明治32) 6月に両国の間で修好通商航海条約が結ばれたことに始まります。当時、修好条約締結110周年記念のイベントがアテネにて実施され、日本食の紹介や日本の伝統舞踊の披露などが行われ、日本のことを知ってもらう良い機会となっていました。

<ギリシャ基本情報>
・面積:13万平方km(日本の約1/3)
・人口:約1,064万人(2021年)
・首都:アテネ(人口約300万人)
・言語:現代ギリシャ語
・宗教:ギリシャ正教
・議会:一院制(300議席、任期4年)
・政府:カテリナ・サケラロプル大統領(2020.3~)
・在留邦人:約600
・主要産業:海運、観光、農業、造船
オリーブ(生産量世界3位)、綿(8位)、葉たばこ(10位)
(革製品、宝飾品、ワインなどが安価)
GDP2,0192億ドル(20218年:IMF
・一人当たり28,145ドル(2021年:IMF
・通貨:ユーロ(以前はドラクマ)
・日本からの輸入(乗用車、貨物・貨客船、モーターサイクルなど)452.5億円(2021年)
・日本への輸出(魚肉、果実、大理石など)995.3億円(2021年)
(外務省HPより)

(2)生活、文化
①生活
 ギリシャ人は総じて陽気で明るく情熱的な国民で、家族と会話を楽しみながら時間をかけて食事をする習慣があるなど生活全般を楽しんでいるという印象でした。夏は海岸沿いに点在する自然の砂浜でのんびりして、ブズーキャというライブレストランで踊るなど開放的に過ごしていました。

②食
ギリシャの食品を日本で見かけることはあまりないが、おいしいものがいろいろあります。ワインは名産地で種類が豊富で味も良く、オリーブオイル、エーゲ海の塩、ハチミツ、ピスタチオ、山羊のチーズ、タコにオリーブオイルや塩・胡椒をかけただけの定番料理もおいしかったことを覚えています。

以下は代表的なギリシャ料理の一部です。
・ムサカ:挽肉とナスやじゃがいもなどの野菜を重ね焼きしたもの
・スブラキ:肉や魚を串に刺して焼いたもの
・トマト・ゲミスタ:調理したライスを詰めて焼いたトマト


③その他代表的な製品
・自然製品
 ギリシャにはオリーオイル石鹸、海綿、天然化粧品などの自然製品が豊富です。

・宝飾品貴金属、宝石、アクセサリー類
 古代からギリシャでは数多くの宝飾品が製造されており、その伝統が残っています。

・皮革製品
 イタリア製のようなブランド力はなく洗練さには乏しいが高品質、低価格な革製品を産出しています。

④観光
 何といってもギリシャは観光の国です。有名なサントリーニ島やミコノス島に行きましたが、見たこともない美しい絶景を楽しむことができました。写真はジブリ映画「紅の豚」の舞台のモデルと言われているザキントス島です。島巡りだけではなく、遺跡巡りや、ロハス、哲学、建築、彫刻、スポーツなど特定のテーマに絞って探求しながら旅行してみるのもよいでしょう。ぜひ一度訪れることをおすすめします。

                    国際部  福地 信哉

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