城東支部

学びの場

[2023/03/03]2023年度 第10回城東スキルアップコース開催報告

3月3日(日)、2023年度城東スキルアップコースの第10回目が人形町区民館にて開催されました。32名の受講生中、28名が出席しました。

最終回となる第10回目のプログラムは次のとおりです。
1.製造業診断
2.まとめ/成果発表/修了式

 

1.製造業診断(講師:松井支部長)

前半は松井淳講師より、製造業診断について講義していただきました。
第1パートでは製造業の基礎知識について、第2パートでは中小製造業の課題、第3パートでは中小製造業の診断について説明していただき、それぞれのパートでグループワークを実施しました。



本講義では、日常生活の中で目にすることが少なくイメージしづらい「製造業」について、基礎知識や課題、診断の際のポイントをご説明いただきました。
製造業のビジネスモデルの特徴として、サプライチェーンが長く下請体質になりがちであり、営業力が弱い企業が多いというお話を伺いました。中小企業診断士として営業力強化に向けた助言を行うことの重要性を感じました。
製造業の競争力強化という点では、製造業の形態に合わせたセオリー通りの助言だけでなく、あえてセオリーの逆張りをすることで、他社との差別化に繋げるという戦略も取りうる可能性があることがわかりました。また、大企業と対等な関係性を築くことで企業の成長を成功させた例について、実際の企業の例を交えながらご説明いただきました。
中小製造業の診断のポイントでは、現場の観察やヒアリングでどのような項目を確認すべきかなど具体的な例を用いて解説いただきました。初めて聞くような用語も多く、業界や業態の予備知識がいかに大切かを改めて感じました。

最後のグループワークでは、講義の中でご説明いただいた中小製造業の診断のポイントを参考に、仮想の企業の財務諸表を使い、経営課題を洗い出し、それに対する対応策についてグループに分かれて検討し発表しました。グループ内での検討では講義で学んだ知識を活用して受講生同士で意見交換することで、個人ワークでは出てこなかった様々な考察ができました。また講師による講評では、財務諸表で読み取れる内容を基に、ヒアリングの際に注意して見るべきポイントや質問すべきポイントなどを説明していただきました。

他のグループの発表や講師からの解説では、グループ内の検討で不足していた観点もあり、多くの気づきを得ることができました。

特に中小製造業の診断の際には、いかに現場の負担を増やさずに改善するかが重要です。机上の空論ではなく、製造現場の状況に則した効果的な改善の提案が実施できるよう、製造業への造詣を深くし、より一層の研鑽をしていく必要性を感じました。

2.まとめ/成果発表/修了式

城東スキルアップコースの締めくくりとして、受講生たちは過去10ヶ月の「学んだこと」と「次のステップ」をテーマに、自身の専門分野や関心事を反映したプレゼンテーションを行いました。これらの発表は、定年後の生活設計、独立計画の明確化、地域貢献の方法、企業内での役割拡大について等、様々な視点からのアプローチが見られ、受講生一人ひとりの成長と専門性の向上が明らかになりました。

修了式では、松井支部長より各受講生に修了証が授与され、10ヶ月間の奮闘と発展が讃えられました。松井支部長からは、長期目標を設定し自己成長を促すロールモデルを見つけること、そしてこの場での出会いを大切にし、いつでも協力しあえる関係であり続けることが大切であるとのメッセージをいただきました。この経験を共にした受講生の学びは、受講生各自が将来に向けて自信を持つための重要な契機となりました。

入山能力開発推進部長からの総括

実務補習を経て登録された診断士であるにもかかわらず、実際にはそのスキルを生かしきれていない現実があることを指摘いただきました。そのうえで、それを乗り越えるためにどのようなステップをたどるべきか、新たなことに挑戦し続けることがなぜ重要か、ご教示いただきました。加えて、このコースでの学びを生かしつつ、中小企業診断士としての「使える能力」を高め、経営コンサルタントとして企業を支援できる力を身に着けていってもらいたいとの激励をいただきました。
こうしたお言葉は、受講生が今後もスキルを磨き、プロとしての自己管理に留意し、社会に貢献する診断士として成長するための糧となったと感じました。

事務局からの総括

事務局の皆様から、講座の修了と受講生の新たな門出を祝福する温かいお言葉をいただきました。事務局メンバーの皆様からは、受講生がこれまでの学びを生かして実務に臨むこと、そしてこれからも学びつづけることの重要性を強調いただきました。また、受講生同士のネットワークを大切にし、互いに支援しあうことの価値もお話いただきました。木内事務局長からは、積極的に手を挙げ機会を掴む姿勢を持つこと、そして講師を務めてくださった先輩や他の受講生と対等な関係を築きながら、共に成長していくことの大切さをお話しいただきました。その際、中小企業診断士の経歴や年齢に関わらず、「先生」ではなく、「さん」と呼び合える環境が城東支部にはあることを強調いただきました。

3.感想

この10回目の開催をもって10か月に渡る2023年度城東スキルアップコースが修了となりました。毎回趣向を凝らしたゲスト講師による講義は、私たち受講生にとって掛け替えのない時間となりました。改めて事務局の皆様、講師で登壇してくださった皆様に、このような機会を設けていただけたことを感謝申し上げたいと思います。
これから中小企業診断士としての新たな活動が始まります。城東スキルアップコースで身に着けた知識、そして培ったネットワークを駆使し、中小企業の皆様のご支援に生かしていく所存です。

(居戸和由貴会員、杉山比呂美会員、榎本典嗣会員)

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