城東支部

学びの場

[2024/1/20]2023年度 城東ポータブルスキルコース 第3回講義開催報告

1月20日(日)、「城東ポータブルスキルコース」の第3回講義が、葛西区民館で開催されました。第3回のプログラムは以下の通りです。
1.診断士実務に必要なライティング技術
2.ヒアリングとロールプレイング

【講義1:診断士実務に必要なライティング技術 (講師:小林雅彦会員)】

本年のNHK大河ドラマ「光る君へ」は1000年来の”ベストセラー”「源氏物語」の作者・紫式部を主人公にしたものです。診断士が1000年も読み継がれる文章を書くかどうかはさておき、ライティングの技術は診断士にとって必須のスキルと言えます。今回はそのスキルについて、ワークを交えながら徹底的に講義いただきました。
文章でも会話でも、「伝える」とは相手が知りたいことをわかりやすく伝達すること。伝えるのは相手が知りたいことであり、自分が伝えたいことではありません。しかもそれを誤解の無いように伝えることが必要です。
会話の場合は双方向なので、その場で相手に伝えきることができます。これに対して文章で伝える場合は、一方通行なので、伝わらないまま終わってしまう恐れがあります。それゆえ、文章で伝える力が特に重要になってくるのです。
診断士には、診断報告書、専門家派遣の報告書、経営相談窓口の相談記録、補助金の事業計画書、執筆活動、企画書・提案書、メールなど、様々なシーンでライティング技術が要求されます。そのため、複雑で難しい内容を、読み手の気持ちを考えて、短時間で、正しく、分かりやすく伝えることが求められます。書いた文章が伝わりにくいと、その診断士の実力さえ疑われてしまいます。
伝わらない文章には、全体がわかりにくいものと、文章を構成する個々の文が分かりにくいものとに大別される、という説明がありました。
全体が伝わりにくい文章とは、読み手が知りたいこと以外が書いてあること、だらだらと長い文章が続き全体の構成が分かりにくくなっていること、理解しやすいストーリーになっていないこと、といった特徴があります。つまり、書き手に「読みやすく書く」という意識が低い文章です。一方、個々の文が分かりにくいとは、意味が分かりにくい、稚拙な印象を与える、誤字・脱字が多いといった特徴が散見される文のことです。どれもこれも、身につまされる指摘です。
講義ではさらに、多くの「伝わらない文章」のサンプルを提示いただき、伝わりやすい文章を書く際の留意点を13項目解説していただきました。


【講義2:ヒアリングとロールプレイング (講師:菊地和志会員)】

「ヒアリングとは、一般的に、相手の話を聴き情報収集すること」、「ビジネスにおけるヒアリングは、顧客の悩みを引き出し、課題を明確にすること」という定義をすることから講義がスタートしました。講義では、診断士が公的機関の相談窓口・専門家派遣に従事したというシチュエーションを前提として、そこでの事業者との面談準備とヒアリングにおける留意点、さらには公的機関に提出する報告書の書き方まで、ロールプレイングを含めてご指導いただきました。
窓口相談・専門家派遣でのヒアリングが難しいと感じるのは、事業者の実態を我々が知らないからです。一方、事業者の悩みも漠然としたものであることが多いので、ヒアリングを通じて、事業者が何をしたいのか、何が足りないのかを診断士は埋めてゆく必要があります。
そこで公的相談におけるヒアリングでは、事前情報や準備時間が限られる中で、事業者の事業改善への期待にこたえることと、発注元(公的機関)の政策立案目的を満たすアウトプットに必要な情報を得ることが必要との説明がありました。
講義のあとには、グループに分かれてロールプレイングを行いました。個人的には、下記の部分が要改善でした。
・事前:相談票とHPを見て、仮説を立てること。
・面談中:相談票には書いてあるが、来訪目的をもう一度確認すること。
・あまり関係の無いことは聞かないこと。
・それは何故とか、どのくらいの数とか、突っ込んで聞いてゆくこと。
・売上増加策の助言の一方、支出項目についても確認してゆくこと。




【所感】
1.ライティング技術について
相手に伝えようとする意識を持ち、ライティング技術に留意して文章を書き、書いた後も十分なチェックが必要という事が理解できました。
ところでこの文章は、講義の終了後に書いています。学んだスキルを総動員したものになっているか、いささか心もないところではあります。私は仕事柄英文で文章を書くことが多いですが、その際にも活用できる部分がありました。

2.ヒアリングについて
公的機関の窓口相談、専門家派遣については今後チャレンジしてゆきたい業務です。その実情、報告書の書き方など、非常に参考となりました
講師、事務局の皆さま、ありがとうございました。


【次回(第4回)の予定】
日時:2024年2月18日(日)9:30〜16:30
会場:新小岩北地区センター
講義内容:①採用されるセミナー企画とプレゼンテーション(講師:加藤敦子会員)
②魅せる・伝わるスライド作成法(講師:横山由香会員)

(三上彰久会員)

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