城東支部

学びの場

[2024/02/18] 2023年度 城東ポータブルスキルコース 第4回講義開催報告

2月18日(日)、「城東ポータブルスキルコース」の第4回講義が、新小岩北地区センターにて開催されました。第4回のプログラムは以下の通りです。

1.採用されるセミナー企画とプレゼンテーション
2.魅せる・伝わるスライド作成法 

【講義1:採用されるセミナー企画とプレゼンテーション(講師:加藤敦子会員)】


 本講義では、加藤会員がこれまで積み重ねてきた講師としての経験や実績を通して、セミナー業務の実態を学ぶことができました。仕事の取り方、企画のポイント、採用されるセミナーはどういったものか、といった急所を理解しました。書籍には載っていないリアルなエピソードの数々に、受講生たちは深く聞き入っていました。
 グループワークでは、「ニーズのあるセミナーを考えてみる」、という題目で、受講生同士の活発な議論を行いました。各自多くの意見が出て、自分では考えつかなかった視点もあり、刺激的な時間となりました。続けて、集客できそうなテーマを選び、タイトルと内容を練り上げました。各グループから1人ずつ発表を行う場もあり、他の受講生からフィードバックをもらう機会にも恵まれました。

 セミナーのテーマを選ぶにあたっては、顧客のニーズが最重要だと改めて認識しました。自身の得意なテーマは話しやすいものですが、主催者や参加者がそれを求めているかは別物です。逆に、自身が得意でないテーマでも、努力次第では2時間話せるコンテンツとしてつくり上げることは可能であると知り、セミナーのテーマを広げるための手がかりを得ることができました。
 企画だけでなく、チラシの重要性も学びました。チラシを作成するにあたっての勘所や、どのような要素を盛り込むか、といったテクニカルな側面も、セミナーを行うにあたって必要なスキルであると理解しました。
 「リピートされるセミナー講師については、満足度が重要である」という点には、受講生一同、大きくうなずいていました。主催者、仲介役のエージェント、セミナー参加者それぞれが求めるものを、講師は充足させる必要があります。そうでなければ、講師として次の受注は難しくなります。セミナー講師として話ができるだけでなく、どれだけ顧客のニーズに寄り添うことができるのかも重要です。選ばれる講師になるための心構えも教えていただき、受講生一同、大きな学びを得ることができました。
 セミナー講師として最前線で登壇され続けている加藤会員の話には、これまでに蓄積してきた実体験から生まれたノウハウや、顧客である主催者や参加者に対する配慮に満ちていました。何度も登壇してきた経験を通じて、並々ならぬ努力をされてきたのだと感じさせます。セミナー講師として選ばれるためにも、講義での教えを実践していきたいと思います。

【講義2:伝わる・魅せるスライド作成法(講師:横山由香会員)】

 横山会員によるPowerPointに関する講義です。自身のセミナー講師としての体験や、これまでの研鑽から、伝わるスライドの作り方を惜しみなく教えていただきました。
 前半では、プレゼン資料の基本的な考え方、セミナー資料と報告書や説明資料との違い、体裁を整える最低限のポイント、より伝わる資料にするポイントなど、具体的な資料作成ノウハウを講義形式で学びました。受講生の多くはPowerPoint自体の操作経験がありましたが、知らなかったポイントや気づかなかった修正点を得ることができたと思います。
 スライドの作成にはセンスを問われることもありますが、実際にはちょっとしたコツや方法を知っていれば、誰でも伝わりやすい資料を作ることができます。伝わらないプレゼン資料には二つの特徴があると、横山会員はいいます。「メッセージが不明瞭であったり、構成が整理されていなかったり」といった資料作成以前の問題が一つ、「メッセージをスライドから読み取れなかったり、相手のレベルに合わせた表現になっていなかったり」といった見せ方の問題が一つです。横山会員は、センスや感性といった言葉を使うことは一切ありませんでした。伝わるスライドを誰でも作れるということを、受講生たちは順序立てて学ぶことができました。
 テクニカルな講義だけでなく、グループワークも豊富でした。演習を通じて、講義で学んだ内容を実践しました。個人で考えた内容を各グループで討議し、全体発表で共有することで、お互いに作成したスライドの長所や欠点を客観的に見ることができました。一人ではよかれと思ったスライドでも、他の人の視点が入ることで、気づかなかった改善点を発見できたことは、本講義を通しての大きな学びにつながったと思います。「伝わらない」から「伝わる」ということを実感できた時間となりました。

【所感】

 前半の講義では、講義でしか聞けない、受注につなげるための実践的なノウハウをお話しいただいたことで、具体的な実務のイメージを持つことができました。また、ノウハウだけでなく、セミナー講師としての心構えや姿勢も教えていただきました。「あたり前のことでも実践できていなかったな」と思う内容もあり、中小企業診断士としてはもちろん、ビジネスパーソンとしてさらに自分自身を磨き上げたいという思いが強くなりました。学んだことを生かして、繰り返し選ばれるセミナー講師を目指したいと思います。
 後半の講義では、テクニカルな点に目がいきがちですが、「資料を読む人が見てわかる、正確に理解できる」、といった基本的なところを改めて認識する機会となりました。作り手の独りよがりや自己満足に終始したスライドではなく、読み手の視点になった資料づくりを心がけたいと思います。

 【次回(第5回)の予定】
 日時:2024年3月16日(土)9:3016:30
 会場:堀切地区センター
 講義内容:
 1.伝わる話し方 ~発声とスピーチ技術~(講師:一色映里氏 合同会社ストラーダ代表社員)
 2.成果発表会/修了式(担当:事務局)

(石川慶成会員)

pagetop

Translate »