学びの場
[2024/10/05] 城東スキルアップ2024 第5回開催報告
10月5日(土)、2024年度城東スキルアップコースの第5回目が月島区民館にて開催されました。30名の受講生中、27名が参加しました。
第5回目のプログラムは次のとおりです。
1. 事業継続計画(BCP)(講師:長島孝善会員)
2. 資金繰りと管理会計、収支計画の作成(講師:本田一也会員)
1. 事業継続計画(BCP)(講師:長島孝善会員)
本講義は前半・後半の2部構成で行われました。まず、前半では長島講師より、東京の災害リスク、事業継続計画(BCP)の計画内容などをお話しいただきました。
災害対策は「リスクを知る」「影響を想定する」「対策を行う」の3ステップで考えること、「対策を行う」はさらに“発災前”と“発災後”があることを説明いただきました。また、企業は被災した際にぶっつけ本番で対応するのではなく、事前に自社の災害対応を事業継続計画(BCP)として見える化しておくことで、被害を小さくでき、停止した事業の早期復旧が可能となるということを学びました。
次に後半では、仮想の企業の事業継続計画(BCP)を考えるグループワークを行いました。約1時間のグループワークにおいて、ハザードマップなどから災害リスクを調べ、事業への影響を想定した上で、発災前・発災後それぞれの対策を模造紙にまとめるという濃密な内容でした。避難場所・避難所の確認と共有、重要顧客や取引先リストの整備など、あまり費用を掛けず、すぐにでもできる対策は意外と多くあるのだと気づきました。
本講義は、診断先企業への助言だけでなく、自分が勤める会社の災害対策が適正か確認することにも役立つ内容だと思いました。教えていただいた内容をしっかりと復習し実践に活かしたいと思います。
2. 資金繰りと管理会計、収支計画の作成(講師:本田一也会員)
本田講師より、資金繰りの重要性とその意義、資金繰り表の作り方、資金繰り支援の基礎知識、中小企業の管理会計、収支計画の作り方をグループワーク・個人ワークを交えながら学びました。
売上も利益も順調であるにもかかわらず、資金がショートしてしまい倒産する会社もいるように、「資金繰り」は、中小企業にとって重要な経営課題です。一方、資金繰り表を作成できる事業者は少ないとのことでした。資金繰り表は、売上や利益の状況を現金ベースで把握するための重要なツールであり、特に補助金申請や経営改善計画の策定時には不可欠であるとのことでした。
本田講師からは資金繰り表を作成する際には、損益以外の動きや借入金返済額を正しく捉えることが重要であると学びました。そのため、資金繰りを作成する際には決算書をもとに資金状況を把握し、請求書の発行や不良在庫の処分、買掛金の支払い条件の見直しを行う必要があります。また、資金繰りを改善するためには、管理会計を活用し、顧客や商品別の収支を分析し、収支計画を立てることで、利益を最大化するための具体的な方策を講じることが可能になるとのことでした。
支援先企業の経営改善計画の策定を行うためには、資金繰りや管理会計を読み解き、把握することが肝要であることを今回の講義で深く実感できました。そのためにも資金繰り表についてしっかりと復習したいと思います。
3. 感想
勤務先においては、BCPや資金繰りはあまり意識していない、もしくは部分的にしか関わっていないことですが、多くの中小企業にとっては、その存続のために重要な取り組みであることがわかりました。中小企業診断士として診断先に実りのある助言をするために、より深く学んでいきたいと感じました。
次回(第6回)の予定
日時:2024年11月2日(土) 9:15~16:45
会場:明石町区民館(3+4号洋室)東京都中央区明石町14-2
講義内容:
1.課題図書発表 「P.F.ドラッカー著 マネジメント 基本と原則」/講師:鈴木康文会員
2.金融機関との円滑なコミュニケーション/講師:井上有弘会員
3.公的支援制度活用と補助金申請支援/講師:菊地和志会員
(生見仁会員、平田耕司会員、山﨑徹会員)