学びの場
[2022/12/12] 城東支部スキルアップセミナー 第2回 開催報告
「人材育成に役立つカリキュラム作成ツール」セミナー開催報告
12月12日(月)、「城東支部スキルアップセミナー」の第2回が京橋区民館で開催されました。本セミナーは、会員に対し、中小企業診断士として役立つ情報を提供するとともに、支部プロコン塾卒業生に登壇の機会を通して講師力を向上してもらうことを目的に昨年から始まった取り組みです。本年度2回目となる今回の講義は、重谷亮会員による、「人材育成に役立つカリキュラム作成ツール」と題して開催されました。
サービス品質の向上や均質化、そして技術の承継において、人材育成の重要性の認識は年々高まる傾向にあります。そこで本講義では、職業能力開発体系に基づく人材育成の基本的な進め方についての解説と、カリキュラム作成ツールの1つである CUDBAS*1(クドバス) のワーク体験を実施しました。
前半は、職業能力開発体系を構成する4つのステージ、①仕事に必要な職業能力を整理する→②各従業員の職業能力を評価する→③職業能力の目標を各従業員に設定する→④目標達成に向けた育成計画の作成と訓練を実施する、について解説がありました。「各段階に則したカリキュラムの活用が、効率的な人材育成につながります」という講師の言葉は、人材育成を具体的にどう進めればいいかについて悩む受講者に対して明確な指針を与えていました。
後半は、CUDBASの内容説明と受講者による体験会が行われました。CUDBASは、職業教育で養成しようとする人物の能力を書き出し、それらを整理してカリキュラムを開発するツールの1つです。職業能力開発体系の4ステージの最初にあたる ①仕事に必要な職業能力の整理 に活用するツールです。
受講者は、5名1チームに分かれた後、各自が必要と考える能力の書き出しに取り組みました。その後、書き出した内容をチーム内で共有し、分類作業を通じて重要性の高い能力は何かについての話し合いを行いました。(CUDBASの詳細については一般財団法人職業教育開発協会のHPをご覧ください)。
今回は講義時間の制約もあり、一部の体験にとどまりましたが、受講者はチームメンバーと協力しながら和気あいあいとワークに取り組んでいました。最後の質疑応答でも、「実際に本格的に取り組む際の具体的な進め方が知りたい」といった発言もあり、盛況なうちに終了となりました。
終了後アンケートの評価も高く、「2時間の講義時間では短かった」というご指摘も、講義と体験が含まれる構成なのでもう少し時間が欲しかった、という前向きなものでした。講師を務めた重谷亮会員からも「今後につながる良い経験ができて感謝しています」という声をいただき、セミナー担当事務局としては、総じてよい企画が提供できたと受け止めています。
能力開発推進部では、このようなセミナーを今後も開催することで、城東支部会員のスキルアップに挑戦してまいります。
(小野貴久会員)
*1:CUDBAS(クドバス)は、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の登録商標です。